■書庫U
□教えられたコトバ
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「そ、なんだ………イタリア語って、難しい?」
「ん、何だ、勉強でもすんのか?」
「そういうわけじゃないけど…さ、イタリア語って父さんとかも知ってるんだろ?じゃあ俺も覚えないと、って思って……」
「お、ボンゴレ十代目になることにしたのか?」
「ちっ、違うよ!!」
それはまだ考えたことがない。一応否定しておこう。
「で、でも…いろいろ役立ちそうだし…何かいい言葉とかないかな?挨拶とか!!」
「んー?いいのあるぜ?」
シャマルから教わったのはただの一文。どうやらそれはシャマルの決まり文句らしい。
俺にはあんまり用途はなさそうだ…ていうか、シャマルに聞いた俺がバカだった!!
シャマルはすでに俺が用済みだと分かると、すたこら去って行った。
『はぁ、でも他に誰がいるのかな……』
仄かな期待がガラガラと崩れ去り、ツナは一人、項垂れていた。
と、その時。
キーンコーンカーンコーン
学校のチャイムが、並盛町に鳴り響いた。
「わぁっっ!!そういえば学校学校!!」
急いで校門をくぐり、風紀委員の人たちに怒られることもなく、どうにか間に合ったようだった………
『シャマルなら教えてくれると思ったんだけどな………』
ま、リボーンの知人だし…やっぱり変な人だな………うん。