■書庫U

□久しい碁
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何はともあれ、私は碁を打つことが出来た。相手は強いとは言えなかったが、それでも対局を出来たのだからヒカルに感謝しなくては……

「ヒカル」
「ん?どした、佐為」
「今日は、本当に有難う御座いました」
「な、何だよ急に……」
「私は碁を打つことが出来た…本当に長い長い年月を経て、また再び……」
「佐為……」

「ですから、またお願いしますね♪」
「……なっ!!」

そして満面の笑みを浮かべる私。その笑顔の意味を理解したのか、ヒカルは叫んだ。

「佐為、お前…!ふん、やだね!!」
「……ヒカル、社会のテスト良いのですか?」
「うっ……く、くそ!!」
「ふふん♪」

それでもまだまだそれでも前途多難……

でも。

「佐為!見てろよ!!」
「……はい?」
「いつか、お前に囲碁で勝ってやるからな!!」
「……ヒカル…」
「な、何だよ?!」
「囲碁に興味を…?」
「え………」

「そうですか♪それなら良いですよ」
「い、いや!!違う!今の取り消し!!」
「いいえ、ちゃんと聞きました」
「佐為!人の話を聞けよ!!」
(ふふふ……)

その意志がどこから来たのかは置いておくにして、ヒカルが碁に興味を持ったのは言うまでもない。

「これから楽しみですね、ヒカル♪」
「全然楽しくなんかねぇ!!」

ヒカルの叫びが、夜の街に響いていた。




Fin.

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