■書庫U
□眩しい朝日
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それからは簡単だった。度胸を決めればいとも簡単に敵は倒れた……。
「はぁ、はぁ……サンキューな、白哉…」
「何がだ」
「俺は多分、甘かったんだと思う。きっと、自分が思ってた以上に」
「………」
(そうだ。それを、白哉は教えてくれた)
「だから…」
「勘違いをするな」
「……っ?!」
「お前にはルキアを助けて貰った借りがある。それを今、返したまでだ」
「……それでも、助けたことに変わりはないぜ、白哉」
「………そんな考え方もある…か」
「……え?」
一瞬だったけど、白哉が笑った気がした。そんな気がしただけで、実際そうかは知しらない。
「それはそうと、兄は尸魂界へ行った方が良い」
「あ……」
戦いで忘れていた傷だったが、また再び傷が痛み出し、白哉の意図を知る。
「じゃあ、白哉も一緒に……」
「私は隊長だ。時間を無駄にするわけにはいかない」
「あっ、ちょっ…白哉!!また逃げるのかよ?!」
「誰が逃げるなどと言った」
「だ、だってよ…!!」
「さらばだ黒崎一護。ルキアを頼んだぞ」
そう言い残し、白哉は消えた…。
「やっぱり、一緒に帰るとかはしないんだな」
(ま、白哉らしいか…)
そんな俺を、眩しく照り付ける朝日。まだ昇ったばかりのその暖かさに、心が洗われる。この太陽の下で、今尚俺たちは生きている。
だから俺たちは進んでいく。昨日の自分に負けない為に……
Fin.
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