■書庫U
□返り討ち
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「この…ッ!!」
ライが近付くのを察したのか、賞金首は舌打ちをしながら草影から飛び出して来た。
―――相手は一人。…何て命知らずなのだろうと思う。
「………フン」
それを嘲笑うかのように、ライは鼻を鳴らした。それに気付いてか、殺気立つ賞金首。
「あぁッ?!何がおかしいんだこのや…」
―――そこへ、ライの剣が風を薙いだ。分かっている俺でさえ目で追えないくらいだった。
「……なッ!!」
キィンと金属音。驚く相手も剣を取り出し、体勢を整える。
―――その時、急に耳鳴りがした。低い低音の音…これは―――?
そして不意に、賞金首がにたりと笑った。
「誰がお前らみたいな奴等にやられるか…ってんだ!!」
動きに活力が戻ったように、賞金首が軽やかに跳ねる。その体は上空へと飛んだ。
ライもそれに向かうが、さっきとは比べ物にならないくらい、賞金首は攻撃力を増していた。
「ハハッ!弱ぇ!全然大したことねェなァ、オイ!!」
そう叫んで再び上空へと舞い上がる賞金首。
―――しかし。
「……フ」
ライは、それに全く興味を持たないらしく、不敵に笑う。それに驚いた賞金首は下を向き、青褪める。
―――下にはライの剣。目を剥く賞金首。
これで終わりだと思った。
だが―――