■書庫U

□返り討ち
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 助けなきゃ――ライを。

 そう思ったら、視界が眩い閃光に包まれた。そして…心に直接響いてくる詩があった。
 これは―――賛牙の詩。闘牙に力を与えるための詩だ。

 ―――暖かく、自然と心が沸き立ってくる。

《ライを…信じる!》


 眩い光が薄まり、再び森が見えてくる。自分が、光に包まれていた。その光が、ライへと流れ込んでいく。

「………ッ!」

 ライの息を呑む声が聞こえた。そして…

「ライ!!」

 ライに託す。俺の全てを捧げて―――勝って。
 それを感じ取ったのか、ライはふ、と笑った。心の奥底でドクンと脈打つのを感じた。

 心に流れ込んでくる。詩の―――力。

 ライの攻撃にも迫力が戻り、それがかつてのそれよりも遥かに勝る力で、賞金首を押していく。

「く、くそ…ッ!お前ら《番い》かよッ!!」

 大きく舌打ちしながら賞金首は再びライへと飛び掛かった………

 だが、何もかも…もう遅い。

 ライが一刃、相手へと切り付ける。その一振りは空を切り…賞金首の腹を抉った。

「ぐ…ッぁぁぁあああ…ッッ!!」

 賞金首の呻き声が、森中の草木を震わせた。
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