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□日常生活
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「ちっきしょー!!!またかよっっ!!」
「お―ほっほっほ!!まだまだ甘いですわよ。私に勝とうなんて一万年も早いですわ!!」
「くっ………っ!!」
何てざまだろう。いつか…いつか…
「ぜってー勝ってやる!!そんでその鼻…へし折ってやる!!」
「おーほっほっほ!!犬の遠吠えですわね!!そんなことが出来るのなら、今やってみたらどうです?」
「な、何だと…っ?!」
「まぁまぁ、それ位にしときますですよ二人とも。争いはよくないのです」
俺たちの間に入り込んで止めたのは、古手里香。まさしく俺たちの癒しの天使だ。
「魅ぃもレナも止めるべきなのですよ」
「あははっ、ごめんごめん」
「朝から里香ちゃんが見れて嬉しいよ〜はうぅ〜☆」
レナは里香ちゃんにぞっこんだ。天使…いや、寧ろ神に近いくらい崇めているんじゃないだろうか………
「レナも止めるべきなのですよ」
「里香ちゃんに怒られちゃった〜はぅ〜☆」
あぁ、こうなってしまってはもう手がつけられない。所謂「かぁいいモード」!!これほど強力な戦力はないと言える。おそらくこれが破られることは…ないだろう。
………おそるべし、竜宮レナ。
「それにしても…いつまでそこに寝そべっているつもりですの?圭一さん」
いかにも黒い笑いを湛えながら、紗都子が上から目線で見下ろしていた。お、俺の方が年上だろ………っ?!!
「それとも…圭一さんて…Mでしたの?」
「んなっ…!!なわけあるかっっ!!!」
そう叫んだところで、ガラッと教室の前の扉が開いた。担任の、知絵先生だ。
「皆さん、早く席に着きなさい」
通る声で、知絵先生の声が俺たちに促す。俺たちの学校生活。
―――今日も、いつもと変わらない風景がそこにあった。
Fin.
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