■書庫U

□日常生活
3ページ/4ページ

「ちっきしょー!!!またかよっっ!!」
「お―ほっほっほ!!まだまだ甘いですわよ。私に勝とうなんて一万年も早いですわ!!」
「くっ………っ!!」
 何てざまだろう。いつか…いつか…
「ぜってー勝ってやる!!そんでその鼻…へし折ってやる!!」
「おーほっほっほ!!犬の遠吠えですわね!!そんなことが出来るのなら、今やってみたらどうです?」
「な、何だと…っ?!」
「まぁまぁ、それ位にしときますですよ二人とも。争いはよくないのです」
 俺たちの間に入り込んで止めたのは、古手里香。まさしく俺たちの癒しの天使だ。
「魅ぃもレナも止めるべきなのですよ」
「あははっ、ごめんごめん」
「朝から里香ちゃんが見れて嬉しいよ〜はうぅ〜☆」
 レナは里香ちゃんにぞっこんだ。天使…いや、寧ろ神に近いくらい崇めているんじゃないだろうか………

「レナも止めるべきなのですよ」
「里香ちゃんに怒られちゃった〜はぅ〜☆」
 あぁ、こうなってしまってはもう手がつけられない。所謂「かぁいいモード」!!これほど強力な戦力はないと言える。おそらくこれが破られることは…ないだろう。
 ………おそるべし、竜宮レナ。

「それにしても…いつまでそこに寝そべっているつもりですの?圭一さん」
 いかにも黒い笑いを湛えながら、紗都子が上から目線で見下ろしていた。お、俺の方が年上だろ………っ?!!
「それとも…圭一さんて…Mでしたの?」
「んなっ…!!なわけあるかっっ!!!」
 そう叫んだところで、ガラッと教室の前の扉が開いた。担任の、知絵先生だ。
「皆さん、早く席に着きなさい」
 通る声で、知絵先生の声が俺たちに促す。俺たちの学校生活。


―――今日も、いつもと変わらない風景がそこにあった。




Fin.

[書庫TOPに戻る]

→アトガキ
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ