■書庫T
□唯一の未練
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――あれから、6年の月日が流れた。
久し振りに訪れた里。けれど、然程変わったようには見えない。
ナルト―――お前は、変わっただろうか?
変わってしまっただろうか?
この時を、幾度願ったか分からない。6年という月日は、とても大きいものだ。
その間、たったの一時さえも忘れたことはなかった。幾つもの任務を遂行しても喜びにはならなかった。
―――全てが、ナルトなしでは成立しない。
そして、月日が経つごとに想いは深まっていった―――
その想いが深まるほど、息がつまるような感覚に陥る。
……けれど、あの金色の髪を見たとき、そんな月日の長さなど、どうでもよくなってしまった。
ただ、ナルトがいてくれれば。そばにいてくれさえすれば、何だって耐えられる。
「ナルト―――迎えに来たよ」
振り返る君の顔は、とても懐かしく………
そして、眩しかった。
Fin.
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