■書庫T

□大切な存在
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人は恐怖や孤独を最も覚えている動物だとよく言う。
が、おそらくそれは違う。
確かに恐怖や孤独には、拭えきれないものがある。


しかし、それを打ち負かすのは、それよりもっと大きなものだ。それが何なのか、実際のところ俺にも分からない。

けれど、それを知ることで自分の中で何かが変るのなら、知りたいとも思う。そしてそれが自分にとってプラスになるならば、その思いは更に増していく。


全世界の歴史がそうだと語っても、俺はそれだけが全てだとは思わない。
必ず何にでも何かしらの欠陥があるものだ。どんなに小さくても、その中に入り込める自分の思想がある。

だからこそ、この世界は誰にも解き明かせないし、
全てを知ることなんて出来るはずもない。だからこそ、この世界は面白いし、生きる価値がある。


そしてナルトに出会えて、俺はもうこの答えを出せそうな気がしている。

恐怖や孤独、どちらもナルトに当てはまる。全て、ナルトが今までに経験してきたことだ。ナルトがどれだけ苦しんできたかは、これまで痛いほど知ってきた。


だから、俺は守っていくと決めた。ナルトの、俺とは違う正反対の強さに惹かれたからだ。

ナルトは不思議な力を持っている。それは、忍に必要だと言われている術や頭脳でもない。


“人を変える力”


これを今まで俺は、求めていたのかもしれない。己だけでなく他人までを変えてくれる力。それは俺の持っていない力だった。

ナルトと共にいることで、俺もその力を持つことが出来るだろうか?

ナルトが俺を変えてくれるなら、俺も共に歩まなければいけない。
歩みを止めることなく、歩幅を確かめ合いながら。



忍として人として、大切なことをナルトから教わった。




Fin.

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