■書庫U
□散歩日和(幻)
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―――そこは人の気配が全く感じられない空間…という表現が一番合ってる気がした。
「何、ここ…?」
見渡しても終わりなんて無くて、ただ森に囲まれて開けた一つの空間の様に見えた。
少し歩いてみるが、やはり何の変化も無い。
でも何故だかいつもと違う空間にいるという自覚はあった。
――そう、まるで夢の中にいるみたいな―――
…夢?この空間…が?
信じられなかった。本当にリアルで、まるでリボーンにハメられているような…
ハッ!まさかッ…!!
「リボーン?!お前の仕業ってことは分かってるんだそっ!!出て来いよー!!」
勿論ハッタリ。そんな俺の虚勢も虚しく、木々に木霊するだけで返事は無い。
「全く、何なんだよホントに…」
…あれ?
その時、あることに気付いた。
「木霊…した?」
そうだ。こんな広い空間で木霊するはすが…。おかしい……
それを確かめるため、歩き回ることにした。
そして―――辿り着いた。
「やっぱり…おかしいと思ったんだ」
静かにソレに触れる。
―――空間の終わり、に。
この空間は永遠なんかじゃなかった。