LONG+B
□空色 〜黒〜
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1.Prologue
晴れ渡った快晴の青空の下。
風に流れる橙の髪。
琥珀の瞳から零れ落ちる大粒の涙。
キラキラと太陽の光に反射して宝石のように輝く。
それを拭ってやりたかった。
しかし、それは俺の役目ではない。
アイツにしか出来ない事だった。
アイツがいなくなった今でも、それは同じ。
踏み込めない一線がある。
俺と一護との間に。
一体何が違うと言うのだ。アイツ―グリムジョーと俺と。
一体何を得れば、俺はお前の隣に立つ事が出来る?
一体何をすれば、お前の心をこの地に縫い付けておける?
今にも空へと羽ばたいていってしまいそうな不安定なその存在。
腕の中に閉じ込めてしまえば、俺だけを見てくれるのだろうか。
ああ、違う。
そんなお前を好きになった訳ではない。
強い眼差しは全てを見据え、
優しい笑顔は全てを魅了し、
あたたかい腕は全てを包み込むようで。
何もかもにまっすぐなお前だから、護ってやりたいと思ったんだ。
† 空色 〜黒〜 †
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