LONG+B
□空色 〜橙〜
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1.prologue
見上げた空は青色。
その青はアイツの浅葱色に似ていて、涙が零れた。
『なぁ一護、知ってるか?青と橙は相反する色だからこそ、互いをより引き立て合うんだぜ』
出会いは最悪。
でも今となっては大切な初めの記憶。
始まりは丁度一年前のあの暑い夏の日から……
† 空色 〜橙〜 †
“グリムジョー・ジャガージャック”
高校に入学してから三ヶ月が立った。その間に何度も何度も聞いた名前。
浅葱色の髪、同色の瞳、そして目許の刺青。
毎日喧嘩三昧だとか、何処かの組に入ってるだとか噂は絶えない。
この学校一の問題児で有名人。
だけど、会った事もなければ見た事もなかった。
だってソイツは留年しない程度の、出席日数ギリギリしか学校に来ないらしいから。
だから、関わりあうなんて思ってなかったし、ましてや惹かれあうなんて思う筈がなかったんだ……
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