novel(GS)
□いつもと違う空の色
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太陽と月が、かさなる瞬間。
『 いつもと違う空の色 』
「御剣っ!見た?」
姿を見るなりそう言った成歩堂に、御剣は眉をひそめる。
「…今の発言に主語がないことに君は気づいているのか?」
「もう〜…今日この日に見た?って聞かれたらひとつしかないだろ?
日食だよ日食!」
「ム…それならそうと言えばいいだろう。
日食は見ていない。仕事が忙しかったのでな」
この日は、日本で皆既日食が見られる、と前々から騒がれていた。
成歩堂と御剣がいるこの場所でも、皆既まではいかないが部分日食を観測することができたのだ。
御剣も勿論そのことは知っていたが、仕事中にわざわざ抜け出して空を見上げるなんてことはしていなかった。
おそらく、糸鋸刑事あたりはグラスを持って屋上に行ってるのかもしれないが。
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