novel(GS)

□嵐の夜に
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嵐の夜、
眠れない夜に、

思い浮かべるのは君の姿。








『 嵐の夜に 』









シャワーを浴びて浴室から出てくる。
窓の外を見ると、先程よりも雨脚が強くなったようだ。


深夜、ようやく仕事をひと通り終えて帰路につこうとしたところ、外は荒れ模様で。
時折吹く強い風にあおられて、しとどに濡れた地面に降り注ぐ雨を窓に叩きつけていた。
はたして、今日はこんなに天気が悪くなると言っていただろうか?
車で通勤している自分はまだいいものの、徒歩の人たちはさぞかし大変だろうと少しだけ考えた。

家に着き、窓の外を見た時は更に風が強く吹きつけていた。
車は地下駐車場に停めているし、そこから外に出ることもないので自分自身は濡れることはなかった。



風が強いのかどことなく家が揺れるような気がして、心のどこかも一緒に揺らぐ。
そんな、まるで小さな子どもみたいな自分に対して自嘲気味に笑った。


それでも、こんなに天気の悪い日は、
どこか不安な気持ちになるもので。




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