月光の青年

□自分の居場所
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戦の中でも考えている政宗



あの“戦斬”気になっていた



仮面から見える澄んだ紫の目は



政宗から見ては哀しそうにしか見えなかった



「政宗様!集中してやってください」



「AH!!うるせー!!」



そう言って政宗は一人で突っ走った



「政宗様!!」



ガキッン



刀の音



「HA!!行くぜ!!」



一人で突っ走る政宗



後ろから来る奴に気付かない政宗



「政宗様!!」




小十郎の声で気付いたが



もう遅かった…




ジャッキン




斬られる音




だが政宗には痛みを感じない




恐る恐る目を開いた




俺の前には誰かが立っていた




誰だ?……



『後ろに注意だよ、伊達政宗さん』



「貴様、誰だ!!」



『俺か…俺は変わった旅人かな…』



そう言ってそいつは刀を抜き



相手を斬った



「アンタ…」



俺の前に立っていたのは“戦斬”だった



俺を庇ったのだろう



左の腕が紅に染まっている



「政宗様!!」



小十郎が来た



『早く行った方がいいですよ』



そう言って戦斬は戦の中に消えていった



「政宗様。ご無事ですか?」



「ああ…」












戦斬のおかげでもあるだろう



この戦は勝った




戦が終わり静まり返った




この場に一人立っていた




「誰だ?」



応答がない



近づいてみるか




睨みながら鞘に手を置き


そいつに近づいた




「!!」



そこにいたのは血だらけの戦斬だった



『はぁ…はぁ…っ』



よく見ればフラついて顔色も悪かった



戦斬は俺に気付いたらしく



その場から離れようと動いた



「おい、待て…」



バタッ




戦斬は倒れた




「くそっ!!」




迷わず、戦斬を抱き上げ急いで城に戻って行った


















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