月光の青年

□秘密
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「お前………女だろう……」


伊達さんのその一言で俺は息を呑んだ…


『………………』


俺は下を向いて俯いたまま…


何でバレタのだろう……


何でこんな早く……まだ此処にいたかったのに…


『……………いつ…から……知ってたんです…か…』


「昨日…」


そうか……昨日か…


俺は無意識に部屋から出た…




『ったく……』


雨が降っている外を見る俺


此処から俺は出よう…


知られてしまったら…最後…


そう、俺は決めてたから…………


「暁………政宗様が………呼んでいる…」


『ああ』


何も考えないまま……俺は伊達さんがいる部屋に入った










黙って暁は俺の目の前に座った


「何で…………黙っていた………」


静まり返った部屋に俺の声は響く…


『………………』


暁は黙ったまま…


もっと早く知っとけば俺は………俺は…


初めて逢った時…


真っ赤に染まった刀を握り…


仮面の下から哀しげに俺らを見つめていた…


何で…そんな哀しげなのか…俺には分かる気がした…………


俺はそんなお前を護りたいと思った…


此処にお前が住み始めて…


仮面を外したお前を見た時…


…こんな綺麗な奴がいるのかと思うほど…俺は見とれた…


お前の暖かい笑顔で俺は惹かれていった………


だけど………


お前は“男”…そう思っていたから…


この思いを……俺は…必死で…諦めた…


そして…今………お前が“女”そう分かった時……俺は………



「もういい!!」


いつの間にか俺はそう暁に怒鳴っていた


『…っ…………………』


暁は下を向いて震えていた…



「…はっ……………」


俺は…何を…………………


暁は立ち上がった



「あかっ『…俺…………此処から出ます…』……なっ」


暁の一言で俺は驚いた…















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