月光の青年

□重なる感情
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「暁ッ!!」


ガサッ


伊達さんの声が聴こえた…


『何で……』


伊達さんの顔を見ると

益々、苦しくなる


「行くなッ」


何で…


アンタは……俺なんかを…


『……何で…何で…だょ………』


冷たいもので頬を濡れた気がした…


ポタ…


水が落ちた


『…!……何だコレ…』


目から水が出てきた


初めてで、どうやって止めればいいのか…分からない……


ポタ…ポタ……


『……止まんねェ…コr!!?』


いきなり、抱きしめられた


視界が伊達さんの服しか見えない


「すまねェ…」


上から、伊達さんの声がした


『何…で…あや…まん…の……?』


まだ、目から水が止まらない…


表情を見ようと、伊達さんの腕を外そうとした


が…無意味だった……


「俺は…お前を……傷つけt『違う』…」



思いっきり、腕に力を入れて…伊達さんの腕から離れた



やっとアンタの表情が見えた


凄く、不安そうな顔している…


『お、俺は……』


下を向いて、濡れた頬を右腕の袖で拭き取り顔を上げた


今、出来る万遍の笑みで笑いながら言ってやった


『…そんな事で…傷つかねぇ……』


それを、見た伊達さんは哀しげ顔をした…


何で…だ……?


何で、伊達さんは……













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