novel
□酒よりも強く酔わされて
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「おーい。今帰ったぞー。」
俺は靴を脱ぎ、我が家へと足を踏み入れる。
今日は世界会議とやらでクタクタだし、その上、アントーニョに先に帰られるわ、フランシスに捕まるわで、すごい疲れたんだぞ!ちきしょー
「フェリシアーノ?居ないのかー?」
弟の名を呼ぶが、返事は無い。
「くそっ何処行ったんだよ!一人にすんなよぉ…」
一気に寂しさが込み上げてくる。
取り敢えず、腹も減ったし、スーツは重くて堅苦しいので、食事と着替えをするため、自室へ向かった。
「ったく、アイツはまたじゃがいも野郎のとこにでも泊まってやんのか?あんなケ・バッレのどこがぃんだよ…」
ブツブツと呟きながら、自室へと続く廊下を歩く。
「大体、何でアントーニョのヤツは先に帰っちまうんだ!!…少しくらい一緒に居たかったぞ…」
言いながらドアノブを回し、部屋へ入る。
いつもと変わらない部屋…の筈が、そこには目を疑う光景が広がっていた。