宴会。

□*ツンデレの君*
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「は?」



突然の骸の言葉に呆れたように目を細める雲雀。



「何かと思ったら…そんなこと」



「そんなことじゃありません!これは重要なことですよ!」



「別に僕どーでもいいもん」



「どーでもいい!?」



「だって僕、ツンデレ萌えじゃないもん」





・・・・・・・・





「!!!!」



「遅いよ。気付くの」



「まあいいです」



「いいの!?」



「僕がツンデレな僕に萌えられればいいんです」



「僕の趣味は無視?」



「さて」



人差し指を顎に当ててうーんと悩み出した骸。



「…そもそも君ツンデレがどういうものだかわかってるの?」



「わわかってますよ!」



「じゃあやって見せてよ」



「……」



キョロキョロと辺りを見回すと、おもむろにベルトをはずし始めた骸。



「!?」



それを右手に持つと、




ピシッッ!!




「ったぁァァ!?」



「この豚野郎!」



「何か違うよ!これツンデレ!?」



「ツンの部分です」



「ツンていうかただのSだよ!」



「難しいですねぇ」



「反省の色無し?」



「あ、そうだ」



パラパラとさっきまで読んでいたマンガをめくる骸。



「……」



「……」



「べ、別に君の為じゃないんですからね!」



「何が!?」



「ツンデレを目指すことが」



「知ってるし!ていうか
いきなり面倒くさい!」



今日のこの絡みがとんでもなく疲れるものになりそうだと、雲雀は気づいたようです。












「べ、別に君のことなんか好きじゃないんですからね!」



「僕もだよ」



「ちょ、ちょっとお弁当作りすぎちゃっただけで
君の為にわざわざ作ったんじゃないんだから!」



「君にお弁当作ってもらったことなんてないんだけどね」



「可愛いなんて言ったってう、嬉しくないんだからね!何も無いんだからね!」



「可愛いなんて一回も言ってないけどね」



「君なんて…豆腐の角に頭ぶつけて死んじゃえばいいんですよ!」



「お前が死ね」



「雲雀君!ノリ悪くないですか!?」



「柱の角に頭ぶつけて死ね」



「ちょ、何でそこ本気で引きずってんですか!
ていうか柱に頭ぶつけたら本当に死んじゃいます!」


「本当に死ねばいいのに」



「雲雀君!遊び方間違ってますよ!」



「これ遊びだったんだ。
てっきりガチの罵り合いかと…」



「冷たいですよ雲雀君!
これじゃ本来の目的果たせないじゃないですか!」



「本来の目的って何?」



「僕がツンデレになることです」



「ああ…なーんだ」



「ちょ、食い付き悪くないですか!?」



「だって食い付くとこ無いんだもん」



「食い付くとこだらけじゃないですか!」



「何?どこ?耳とか食い付いていいの?」



「そういうことじゃないです!でも夜はOKです!」



「…噛みついてあげるよ」



「流血宣告!?」



「よかったね」



「よくないですよ!
ていうかこれじゃツンデレの特訓にならないじゃないですか!」



「ツンデレに特訓とかあるの?ていうか何?それ僕も参加なの?」



「君は相方です」



「M−1にでも出るつもり?」



「僕のツンデレ道を切り開くんです」



「本気で進むんだ…」



「第七の道です!」



「新しい!」



「一緒にツンデレへの道を切り開きましょう!」



「海賊王への道の方が有意義だと思うけどね」



「さあ頑張りましょう!」



「嫌だよ」



「どうして!?」



「気乗りしない」



「してください!」



「面倒くさいよ」



「いいじゃないですかツンデレ!」



「…ツンデレねぇ…」



「何が不満なんですか!?」



「不満ていうか…」



「僕のことが嫌いなんですか!?」



「うーん」



「悩まないで!」



「いいじゃない。
ツンデレじゃなくても」



「嫌です!ツンデレがいいです!」



「何でよ!?」



「面白いからです!」



「娯楽!?」



「僕の為ですから!大丈夫です!」



「それが大丈夫じゃないって言ってんの!」



「はい!?」



「僕の為じゃないってのが気に入らないの!」



「…はい?」



「だからぁ。僕は今のままの君で十分好き…」






「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……そ」



「!」



「それはツンデ…」



「僕はツンデレじゃないから!!」





「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「…雲雀君」



「……」



「僕ツンデレやめます」



「べ、別に君のことなんかっ…!」



「クフ」



「!」



「雲雀君」



「何!?」



「…抱きしめてあげましょうか」



「いらない!」



「さあこっちに来てください」



「だからっっ」



「雲雀君」





「愛してます」



「…!」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……」

















「……………僕も」



end.
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