宴会。

□春はすぐに終わるよ
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よくドラマやマンガでは桜の花びらが舞うなか卒業していくという実に画になる光景がよく見られるものだが実際現実ではそんな美しい卒業風景はめったになく俺たちの卒業もまた冬を越したばかりとでもいうかのような裸の枝ばかりの樹の下をくぐるだけの寂しいものだった
別に満開の桜を背負って卒業すれば何か得するというわけでもないがそこはやっぱりなんとなくドラマのような素敵な卒業を演出してほしかったと俺は密かに思うのだ
きっと文次郎に言ったら鼻で笑われる
花の無い樹は花のある樹よりはるかに寂しい
花の無い樹があれば誰しも花を見たいと願うと思っているのは俺だけなのだろうか
実は世の中の人はそれほど花というものを望んでいないのだろうか
鮮やかな色をした花弁を鼻をくすぐる甘い香りを
俺だけなのだろうかそんな夢を捨てきれないのは
もし世の中の人が俺の考える通りの冷めた人ばかりなのだとしたら
一体誰が細い枝の先に芽吹いた小さな愛に気づいてやれるのだろうか










0春はすぐに終わるよ




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微妙に意思と書いてることがずれてる難しいな

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