宴会。
□うつつ
1ページ/1ページ
携帯を触ってみた。
勢いのままにリンクを飛びまくってみたけど
やっぱり飽きて電源ボタンを連打する
再び携帯を充電器に繋ぎ
寝転がったままこたつにもぐる
何も思い付かない
考えようとすればするほど全く思考が働かず
かといって考えようとしなければ思い付くわけもなくただぼーっとああこのまま今日は終わってしまうのかなんて頭の隅で思いながら動こうともせず時計の針の音を聞いている
ふと
自分はやればできる子だと急に思い立ち
張り切って仕事にかかろうとすればこたつの足に膝をぶつけて
「いてっ」
声を漏らしてそのまま畳に倒れ込んだ
「……」
自分はこのまま死んでしまうのではないか
ふいにそう思った
こたつの足に膝をぶつけただけで死ぬわけがないのに悲劇の主人公を気取ったようなセリフが頭に浮かぶのは少しでも何か面白いことを思い付こうとまだ心のどこかで思っていて努力している証だと思った
ああまだ自分は大丈夫だと安堵しながら体は全く動かずに時の流れの早さが怖くて自分に突き刺さってくるようだった
何も思い付かない。