宴会。

□芳香
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あの人からはいつも甘い香りがした


その匂いはクールで非情を知るプロの彼にはとても似つかわしくない匂いで僕は思わず笑ってしまいそのたび利吉さんに鼻をつまみ上げられていた

聞けばそれは花の匂いだそうだ

花が好きなんですかと聞けばいいやと答えるくせにでもその花は嫌いじゃないよとやけに爽やかな笑顔で言う利吉さんを僕は心の中でひねくれ者と罵った

名前も色も知らないくせにいつもその花の香りをまとってやって来る利吉さんが馬鹿らしくてそれでいて僕は大好きだった

だから図書室で必死に本をあさり知人に尋ね回りようやくその花の名前にたどり着いたときには大きな達成感と早くあの人に教えたいと期待ばかりがどんどん膨らんでいったのだった


「素敵でしょう、利吉さん」


僕は花を摘んで作った花束を抱えて見せる


「貴方が名前も知らなかった花はこんなに美しいのですよ」


会いたくなったら僕がいつでも摘んできてあげますからね、と言うと彼が微笑んだような気がした


「好きだった花が一緒なら寂しくないでしょう」



嗅ぎなれたその香りは線香の匂いにかき消された。








     芳香







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赤井はらぶらぶな利こま推奨本当ですよ

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