パーチー。

□夢心地。
1ページ/2ページ




もし私があの人に想いを伝えられる時が来たとしたら

それはきっとあの人といられる最期の日。


真っ赤な炎が全てを包むなかで


もしもあの人が来てくれなかったら


それでもいい。


それが当たり前。


あの人の隣にいられたことを幸せに思いながら


あの人への想いを胸にしまいこんで


そっと


瞳を閉じよう。














もしもあの人が来てくれたなら


それはとんでもない幸せ過ぎること。


最期くらい甘えてもいいよね。


最期だけだから


今日だけだから


だからそっと


手を握らせて。


私の隣に来てくれるのは


最初で最後だから。


貴方の瞳を真っ直ぐ見ながら


小さな声で


貴方に想いを伝えよう。


炎上を背景に


私のために


涙を流そう。


私が手を離したら


貴方はさっさと逃げればいいよ。


私が視界から消えたら


すぐに私のことは忘れてね。


そうすれば私も


悲しくないから。


寂しくないから。


月はもう十分見た。


次に目を開けたときには


どうか


太陽が眩しい


爽やかな青空が広がっていますように。













end.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ