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変態五題
4.食べちゃうぞが冗談に聞こえません
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ひとりでいるにもかかわらず、突然パピコが食べたくなった。
そんなとき、あなたはどうしますか?
1.我慢する
2.ひとりでふたつとも食べる
3.友達を呼びつける
4.その他
「………………」
朝、学校に行く前に、なんとなくコンビニに寄った。
30度を超える暑さになるでしょうと天気予報のお姉さんが言っていた通り、朝から焼けるような暑さ、いや熱さで。
今見たら確実に誘惑に負けると分かっていたのに、意思の弱いわたしはついフラフラとアイスコーナーに足を運んだ。
そしたら、目に入ったのだ。パピコが。
財布の中身とアイスを交互に見てみる。もちろんパピコひとつくらい買える。
でも無駄遣いは月末にわたしの首をしめることうけあいだ。でもほしい。すでに口の中はあのカフェオレ味のブツを受け入れる準備を済ませている。けどあの2本をひとりで食べるのってわびしくないか。ああ、でも外暑いしなぁ。
そんなことをうだうだとアイスコーナーの前で悩んでいたものだから、不覚にも、近づいてくる人の気配に全く気づかなかった。
「ほぉのかちゃぁぁんっ!」
「ぎゃっ」
不二子ちゃんのノリで名前を呼ばれた、と思ったら、後ろから熱源が降ってきた。
ベタリとくっつくそれ。嫌悪感にぞわわと総毛立つ。くっつかれるという行為そのものに対してよりも――。
「暑いっ! 暑いです先輩、離れてください!!」
叫びつつ、犯人――こんなことを仕掛けてくるのは先輩に決まってる――をひきはがす。
思いっきり眉をしかめて先輩をにらんでやったのに、先輩はなおもわたしの間近に立ったまま、にへらと笑っている。このひと頭がおかしいんじゃなかろうか。
「暑くなかったらくっついてもいいんだね」
「誰がそんなこと言いましたか」
先輩ののーてんきな考えをばさりと切って捨てる。この人を常春頭に育てた責任者に出てきてほしい。
「……先輩はなにか買うんですか」
早く買うもん買って先に出ていってほしい――わたしのそんな考えを裏切るように、先輩はまたヘラリと笑った。
「んーん、ほのかちゃんがコンビニに入るの見えたから」