小説G

□bsr連載番外
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トリップ夢でよくある展開のなかで、この連載ではこういうの使わないだろうなというのをやってみる。

※キャラぶれ、ネタばれ等が含まれる場合がございますのでご了承の上ご覧くださいませ!



@神様から、「これ以上この世界にいると、原作が変わってしまう」と言われちゃうパターン


「・・・え。」
「もう一度言う。お前がこの世界に存在するのは、あまりいいことではないのだ。」
「いやでも私の場合望んできたわけじゃな」
「だが、どうしてもお前がこの世界に残りたいと思うのなら、方法がないわけじゃない。」
「聞けよ。」

話を聞かない神様。こんな理不尽で自己中心的な神様がいてたまるか。今殺しちゃだめかな。だめだよね。チッ。
さめた表情で私の前に指を一本立ててみせる神様を、私は眉間にしわを寄せて見る。
神様は、そんな私の視線を浴びながら口を開いた。

「それは、お前がもといた世界の、『お前』という存在をすべて、消すということだ。」
「あ、そすか。」
「・・・・。」

で?

「お前に出会ったすべての生き物、つまり、友人や兄弟、姉妹、そして親の記憶から、お前の存在を抹消する。」
「そすか。」
「・・・・そして、お前が生まれたという事実も、消すことになる。」
「へー。」
「・・・・・それでもいいか?」
「別にいいっすけど。」
「・・・・。」

どうやら神様はもう少し悩んでほしかったらしい。
私は、なんだか寂しそうな、腑に落ちなさそうな顔をしている神様を見て、大きなため息をついてから少しだけ悩むそぶりを見せた。

「んー・・それは困る・・・かもしれないかもしれないなー・・・。」
「・・・・。」
「あの、私がうまれたって言う事実を消すって、私死んじゃうってことですか?」
「いや、お前はすでに不老不死という体を手に入れている。だからお前は死ぬことはない。」
「あ、なら別に良いです。」
「・・・・。」

いやいやいや。もうそんな顔されても悩むことなんてないし。
さすがにパパンとママンとか、友達とかを悲しませるわけには行かないし(悲しんでくれてれば、の話だけど)、殺人犯した娘を快く迎えてくれる親がいる分けない。
このままあっちに帰っても、いいことがあるわけでもないので、むしろ私の存在を消してくれたほうが動きやすいっていうか。
まあ、戸籍とかもなくなっちゃうのは困るけど。

「・・・・本当にいいのか?」
「はい。だって別に、未練があるわけじゃないし。」

まああるといえば、読みかけの漫画、せめて完結するまで見てたかったなー、とか。

あっさり答える私に、神様は困った顔をしながらこくりとうなずいて、すっと姿を消した。




(ねえムニルさん)
(なんだ)
(神様って、へたれ?)
(・・・・・お前神に謝れ。)
(え。)

――――――
きっと虹ちゃんだったらこんな風に答えるだろうな。
(どうせ主の名前については、管理人のフォレストブログの「皆で騒いでもらった」シリーズをご覧ください。)

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