白雪姫+αと宇宙から来た巨人達

□第9話
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夜のフリーウェイを走る黒いバンの車内、私とミカエラとサムの三人はシモンズと名乗る黒服男に尋問されていた。

「さてと、プレイボーイ217と言うのは君のイーベイ…ネットオークションでのユーザーネームだな?」
「それはタイプミスしちゃって…ま、良いかって」

むしろどんなタイプミスしたらそうなるのか教えて下さい。

「これは何だ?」

シモンズがサムから押収した携帯に録音された音声メッセージを再生した。中身は…

『僕の名前はサム・ウィトウィッキー、僕の車は何と生きていたんだ』

今置かれている状況が状況でなければ「あんた何つー代物残してくれとるんじゃぁぁぁあ!?」と締め上げたくなる様な内容だった。

「君だろう?」
「…如何にもプレイボーイって感じね」
「君は警官にこう言ったそうだな、『車が変身した』と。…説明しろ」
「ああ、要するに…ですね、全部とんでも無い誤解だったんです。車は盗まれてなかった」

中々良い言い訳だ。このまま誤魔化せれば…

「…そうかね」
「良いんです、あー…いなくなったと思ったけどでもちゃんと『帰って来た』から」

すみません期待した私が馬鹿でした。

「取り戻した、でしょ?」
「(ミカエラ、ナイスフォロー!)そうよ、だって車が自分で帰って来る訳無いじゃない!」
「「あははははははは!!」」
「そいつは笑えるな!





…どこでエイリアンの事を知ったんだ?」

爆笑に包まれた車内が一瞬で静まり返る。

「…え、エイリアン?それって火星人とか●T.の事?そんなの…」
「単なる都市伝説でしょ?」
「つか今時E.●とか古いよ。今エイリアンと言ったらやっぱりス●ィッチよスティッ●!ふわふわして可愛いし」
「誰も君の好みは聞いていないんだが?…これを見ろ、『何をしても許されるお墨付き』だ。君を一生刑務所にもぶち込める」

シモンズが上着の内ポケットから身分証明のバッジを取り出して見せてきた。それを見てサムは黙り込むがミカエラは真っ向から反論する。

「真に受けちゃ駄目、こんな人その辺の警備員と変わらないわ」
「小娘の癖に…楯突くな、父親の仮釈放が不意になるぞ」
「…え?」

仮釈放って…?ミカエラのお父さんが…??

「何でもない「車泥棒が何でもない?」…前にパパから車いじりを教わったって言ったでしょ?あれ、パパの車じゃなかったの」
「…君も盗みを?」
「子守りを雇えない時にはパパはあたしを連れて盗みに行った」
「この娘自身も逮捕歴がある、犯罪者だ」

いきなり知らされた事実に呆然としていると先程サムにかざした計器から再びアラーム音が聞こえてきた。
…どうやらお迎えが来たらしいが私達を尋問する事に夢中なシモンズは全く気付かずに話を続ける。

「哀れだな、お前の父親は寿命が尽きるまで刑務所の中だ。さぁ、喋ってもらお…」

ガシャン!

全ての台詞を言い切る前に巨大な鋼鉄の脚が車の動きを止め、派手にスピンした。
そして立て続けに大きな手が窓から入り込んで車が持ち上がる。

「うわぁぁぁああ!何だこれは!?」
「よせ!!」
「すいません!!」

宙吊りになった車はミシミシと音を立てている。
そしてついに屋根が剥がれて落下し、見上げた先には巨大なファイアパターンのロボットが立っていた。

「あーあ、怒らせちゃった。紹介しよう、こちら僕の友人の…オプティマス・プライム」
「子供を攫うとは…許せない行為だ」

他の車から降りてきた黒服達がオプティマスに銃を向ける。

「オートボット、こいつらの武器を取り上げろ!」
「動くな!」
「銃をよこせ!」

オプティマスの号令に背後から現れたアイアンハイドとラチェットが武器で黒服達を威嚇し、ジャズが自らの手を電磁石の様にして銃を引き寄せ没収する。
そしてオプティマスは私達に初めて会った時と同じく、屈んでシモンズと視線を合わせた。

「…やぁ」
「恐れていないようだな。我々を見ても驚かないのか?」
「良いか?我がセクター7には規則がある。よって…諸君との対話は許可されていない、という事しか言えない」
「車から出て来い」
「え…?私がか「早く出て来い!」わ、分かった分かった!今降りる、今降りるから!な!!」
「あ〜…狭かったぁ!」

ようやく解放された体を伸ばしているとミカエラがサムの手錠を外しているのが見えた。

「サム、星羅。私が逮捕されたのは司法取引でパパを売る事を拒否して一緒に有罪判決を受けたからなの。…知られたくなかった」
「ミカエラ、私はミカエラの友達だよ?例え何があっても」
「ありがとう…!」
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