Trip×とりっぷ×トリップ!

□彼女が猫になった日
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待てよ、何でこうなった?一体これはどういう事だ??
よし、何があったか順番に思い出そう。
まずはいつも通りにバイクで登校中、音々と偶然会って「先に学校着いた方の言う事を聞く」って罰ゲーム付きの勝負になったよな?うん。
そしたら運悪く信号がことごとく俺の目の前で赤に変わったせいで音々に負けて「今日一日僕の送迎役やってね♪」って言われたよな?大丈夫、間違ってない。
んで学校が終わってからテレビの仕事があった音々をテレビ局に送って収録終わる時間に迎えに来て罰ゲーム終了…のはずなのに!
テレビ局のドアをくぐった瞬間、俺に飛びかかって来たのは真っ白な毛並みに緑の瞳の可愛い子猫。後ろからは「待って、音々ちゃん!」と言うニャミさんの声。
ん…音々…?
音々!?

「お前…音々…なのか?」
「ミィ?」

何で音々が掌サイズの子猫になってるんだ!?

まぁ、とりあえずこっちに走って来た元凶らしき三人に事情を聞いてみようか。

「…一体何があったんだよ?ミミさんニャミさん、むしろ絶対アンタの仕業だろMZD
「あはははは…」
「えーとそのー…」
「話せば長いっつーか短いっつーか…」
良いから話せや
「「ハイ、すみません」」





それは今から遡る事十分前…

「猫耳ったら猫耳!」
「うさ耳だよ!ねぇ、音々ちゃん!!」
「えーっと…」
「お前ら何廊下で揉めてるんだよ」
「あ、MZD!今日の番組でさ、音々ちゃんが『僕もミミちゃん達みたいに動物の耳あったら何かな?』って言ってたじゃない?」
「ああ、アレか」
「あの時はゲストの皆とアレも可愛いコレも可愛いってなったけどさ、アタシはやっぱり猫耳だと思うんだよね!」
「えー?うさ耳だよ絶対!」
「さっきからずっとこんな調子で…」
「何だよ、そんなの実際に見てみりゃ良いだろうが」
「へ?」
「俺の力で猫耳うさ耳なんかあっという間に生えるぜー?」
「ナイスアイデア!」
「えと、小道具さんに頼んで耳の付いたカチューシャ借りて着けるって選択肢は…」
「「無い♪」」
「じゃあまずは猫耳からいくぜー!」

パチン!

「うわっ!?」
「え、何この白い煙?音々ちゃんが見えないんだけど!?」
「仕様だ仕様。おい音々、どうだ?猫耳の付いた感想は」
「ミャー」
「「『ミャー』?」」
「…って!本物の猫になっちゃったじゃん!!」
「MZDコレどういう事ー!?」
「……………失敗しちゃった☆」
「「『しちゃった☆』じゃなーい!!」」
「ミャウ!?」
「あ、ビックリして逃げた!」
「待って、音々ちゃん!」





「じゃあ何か?ただ猫耳うさ耳の音々が見たいが為に神通力使ったら力の加減間違えて外見だけじゃなくて中身まで猫にしちゃった上に戻し方忘れたってかふざけんな
「いやでも確かに人間の時の記憶も無いけど、元々耳だけ変えるつもりで力使ったから時間が経てば自然に元に戻るし…」
そういう問題じゃないだろ

現在俺は猫になった音々を抱っこした状態でMZD達にお説教中。
ちなみに音々は我関せずといった感じで顔を洗っている。

「ったく、こんな事が美琴と優歌に知られたら俺の説教どころじゃ無くなるぜ?第一、音々の世話どうするんだよ」
「その事なんだがな、ヒューお前今晩うちに泊まって音々の面倒見てやってくれねー?明日朝一で美琴と優歌がうちに遊びに来るんだよ。そしたら連中に事情話して世話押し付けて帰って良いから」
「はぁ?」
「俺とミミとニャミ、この後新曲の関係でスタジオに缶詰なんだよ。頼む!」
「ちょっ、何言って…「コレうちの鍵と猫になった時に脱げた音々の服な。じゃ!後ヨロシク!!」おいコラ!」

「まだ説教され足りないのか!?」と言う前に三人は消えた。

「…帰るか、お前の家に」
「ミャ?」

…どうしよう、果てしなく不安だ。
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