Trip×とりっぷ×トリップ!

□王子様争奪戦!?
1ページ/2ページ

これはまだ僕達三人がポップン世界にトリップして間もない頃に起こったちょっぴり厄介で…でも大切な思い出話。
こちらでの生活にも少し慣れてきたある日、今度は僕達三人だけで出掛けてみようと言う事になりやって来たのはトリップ二日目に買い物したショッピングモール。
ただあの時と違うのは今が大型連休真っ只中で人混みが前回の比では無い位凄まじい事だろうか。

「うわ〜…何この混み方…」
「何でも今日は新しい店のオープン日で記念セールやるらしいよ?」
「…来る日間違えたかしら…」
「でも今更出直すのも面倒だし覚悟決めて特攻するし『お待たせ致しました!これより開店記念セールを行います!!かぁぁぁ!?
「優歌!?」

あっという間に人に飲み込まれて姿を消した優歌を救助する為二人で人混みに混ざるが呆気なく人に流され、美琴とも離れ離れになってしまう。

「美琴!」
「音々!先に今日買い物するはずだったお店の前で待ってて!優歌見付けたらすぐに行くわ!!」
「うん!」

そんな訳で一人お店に向かっていると…

「良いじゃん、ちょっとお茶する位さー♪」
「ね、一緒に行こうよ〜」
「えと、その…」

女の子がナンパされていた。
顔はよく見えないけど…男二人掛かりってのは見過ごせないな。

「ねぇちょっと!」
「あ?何君、今取り込み中なんだけど」
「彼女嫌がってるよ、放してあげたら?」
「んだと…?女みたいな面しやがって、生意気なんだよ!」

殴りかかって来たナンパ男その1の腕をそのまま掴み取り、一本背負いを決めてやるとナンパ男その2の顔が青ざめる。

「僕の兄さん柔道で全国制覇しててさ、時々教えてくれるんだ。だから帯持ちじゃないけど僕も有段者位の実力はあるんじゃないかなー?…君も投げ飛ばされたくなかったらそいつ連れてどっか行きなよ」
「すっ、すみませんでしたー!!」

すたこら逃げ出すナンパ男共を一瞥して囲まれていた女の子に向き直る。

「大丈夫?怪我とかしてない??」
「は、はい…!」
「良かった、女の子の顔に傷とかついたら大変だもんね。それじゃ、友達と待ち合わせしてるから僕はこれで…」

ガシッ!

「…?どうしたの…??」
「………た…





見付けました!みらいの王子様!!
……………へ?

そう、僕が助けたのは当時まだ正式にパーティー参加してない夢野みらいちゃんだったんだ。





「全く…優歌あなたもうちょっと背伸ばしたら?探しにくいったらありゃしない…」
「背の事は言うな!それより音々遅いね、アタシ達より早くこっち来てる筈なのに」
「お待たせ〜…」
「あ!音々こっちこっ…どしたのその子」

優歌が僕の隣にいるみらいちゃん(頬を赤らめ、手を胸の前で組む典型的乙女ポーズのオプション付き)を指差して聞いてくる。

「この子に絡んでたナンパ男撃退したら…「「またぁ?!」」うぅ…言わないで、耳が痛いから…」
「言いたくもなるわよ。出掛け先で別行動になる度、同じ様な展開になるんだもの」
「…音々さん、お友達ってこの人達ですか?」
「うん、幼馴染みなんだ。こっちが美琴で隣が優歌だよ」
「初めまして、夢野みらいです」
「どーも。…突然だけどみらいちゃん、音々って男の子と女の子どっちに見える?」
「何言ってるんですか!男の子に決まってます!!」

はっきりきっぱり断言したみらいちゃんに二人は小さく溜め息を吐くと

「…そんなピュアなみらいちゃんに大変残念なお知らせです」
「そこにいる音々は私達と同じ女の子よ」

いつもならそれを聞いた女の子はすぐに諦めてくれるんだけど…

嘘ですね

流石MZDが作ったポップン世界の人間、一筋縄じゃいかなかった。

「即答!?」
「当たり前です!音々さんはみらいの王子様なんですよっ!!…分かりました、貴女達音々さんに自分達以外の女の子が近付くのが嫌でそんな嘘付くんですね?」
「いや、事実だし。むしろ貴女が傷付かないように「問答無用です!!
「(プツン!)…あーそう、こっちが親切心で言ってるのにそんな風に返すんだ?ちょっとアンタ!音々を賭けて勝負しなさい!!」
「え、ちょ!何言い出すの優歌「望む所です!みらいが勝ったらもう口出ししないでくださいね!?」…美琴〜…」
「諦めなさい、音々。どうやらこの二人似た者同士みたいだし」

そう言ってポンと肩を叩いた美琴の顔はもう悟りの境地に達していた。

「ルールは簡単、これで三本勝負の内二本を先取した方が勝ちよ」

対決に燃える二人に連れられて来たのはゲーセン。ビシッと優歌が指差したのは対戦仕様に向かい合わせで設置された格闘ゲーム…って

「優歌…ちょっと不公平じゃない?ゲームで優歌に勝てる人なんて僕知らないよ」
「大丈夫です音々さん!みらいこう見えてもゲームは大得意なんですよ♪」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ