Trip×とりっぷ×トリップ!
□Life or Treat?!
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「後はコレを入れて完成っト…」
「スマイル、今夜のお菓子出来たッスか?」
「今出来た所だヨ♪」
「美味そうなパンプキンパイッスね」
「デショー?でも、それだけじゃないんだよネ」
「…何したッスか?」
「ヒッヒッヒ、ソレは今夜のお楽しみダヨ♪」
「音々、今日ユーリの城でハロウィンパーティーするんだろ?いつ出発だ?」
部屋で仮装の仕上げをしていた僕にMZDが声を掛ける。
「そろそろかな。優歌とウチで待ち合わせなんだ」
「アイツの事だから菓子ねだってくるよな。近所の子供に用意した奴分けてやるか」
ピンポーン♪
「あ、来たかな?」
「まだ支度あるだろ、俺が出てやるよ」
「うん、お願い」
ガチャ
「Life or Treat!命が惜しければお菓子を寄越せー!!」
「……………」
バタン
「ちょっとMZDー!何でドア閉めるのよー!?」
「台詞が違うだろ台詞が!第一、そんな菓子のねだり方する奴がどこにいるんだ!」
「ココにいる」
「威張るな!そしてドアを無理矢理開けようとするな!壊れる!!」
「じゃあMZDもドアノブ掴んでる手放してよ!」
「…で?僕とハテナ君が止めに来るまで二人でずっとドアの引っ張り合いをしていたと」
「「…はい」」
正座した優歌の頭からは僕の、MZDの頭には影君の拳骨で出来たこぶから煙が上がっている。
呆れ返って何も言えない。
さっきまで喧嘩していた二人の片方は高校生、もう片方は神様だ。しかも子持ちの。いい年して恥ずかしいとは思わないのだろうか。
「…ま、良いや。とりあえずお説教はココまで。美琴待たせてるから早くユーリ城に行こう。ハテナ君、行ってくるねー」
「(いってらっしゃーい!)」
『鍵』を使ってメルヘン王国のユーリ城前に到着。
と言っても着いたのは城門の前。ここから城に行くには10分程歩かなくてはならない。
「毎度の事だけどさー遠いよねー」
「だねー」
「そう言えばさ、音々は何の仮装?」
「当ててみて」
「黒と白の燕尾服にコウモリのネクタイ…ってまさか…」
「うん、この時期に夢の国で大活躍してるカボチャの王さ…「もういい分かったそれ以上言わないで」
「そう言う優歌は何なのさ?いつも着ている服と変わらない気がするんだけど」
優歌が着ているは普段からよく着ているのと余り変わらない可愛らしいピンクのゴスロリ服だ。
「コレね、リデルちゃんが着てるのと同じデザインなのよ」
「だから?」
「えー分かんない?ゾンビの仮装だよ」
「ソレ有りなの?」
そうこうしてる内に僕達は城の前まで来ていた。
リーンゴーン…
「…誰も出ないね」
「鍵は開いてるみたいだよ?」
「入っちゃおっか、多分誰かいるでしょ」
ガチャン
「おーい、誰かいるー?ユーリ?アッシュ?スマ「待ちなさいスマイルゥゥゥゥッ!!」…美琴!?」
凄まじい足音と共に目の前をスマイルと美琴が通過する。
スマイルが美琴にちょっかいを仕掛けて追いかけっこになるのは見慣れているが、今回はいつもと何かが違っていた。
「ねぇ優歌…僕の記憶が正しければ美琴の髪って黒だった気がするんだけど」
「うん、アタシもそう思う」
「じゃあさ…何で美琴の髪が銀色になってるの?」