戦国BASARA夢

□第1話
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ごめんなさいごめんなさいもう何てお詫びしたら良いか本当にすみません主人にはきつーく言っておきますのでどうか許して下さいぃぃぃぃぃ!!

…えーと…前回の割とシリアスな終わり方はどこ行った…?

事の始まりは約三十分程前、未だお姉ちゃん行方不明のショックから立ち直れない私は母さんに頼まれてチャイムの鳴る玄関へ足を運んだ。

ピンポーン♪ピンポーン♪

「詠理、出てくれる?」
「…はーい…」

ガチャン

『あの…こちら花宮優歌さんのお宅でよろしいでしょうか…?』

ドアの先にいたのは黒髪に黒い瞳の綺麗な女の人。
歳はお姉ちゃんと同じかやや上って所で最初は美琴姉の親戚かお姉ちゃんの友達かな?と思った。

「あ、はい。でもお姉ちゃ…姉は少し前から…」
『行方不明なんですよね、知ってます。実はその…あの…貴女のお姉さん達が行方不明になった原因が…



私の主人、夫なんです』

……………はい?

え?ちょっと待って?お姉さん既婚者なんですか??
っつか貴女の旦那さんがうちのお姉ちゃん達の行方不明の原因ってどういう事ですか!?
私の頭上で?マークが大量発生している。

『あの、お家に上がってもよろしいかしら?詳しくお話致します』

父さんと母さんにも事情を話して全員でリビングのソファーに腰掛ける。

『まず、私の本当の姿からお見せしないといけませんね』

本当の姿?と首を傾げるとお姉さんの全身が明るい光に包まれ黒い髪は淡い紫に、黒い瞳は深い緑に変わっていた。

「「!!??」」
『驚かれましたか?』

家族皆でコクコクと首を縦に激しく振って頷く。こんな髪と瞳の配色、ゲーム中の登場人物でしか有り得ないからだ。
そんな私と両親にクスッと笑うと

『近所の方にこちらの姿で見られると目立つかと思ってちょっと変装しちゃいました』

それじゃあ改めてお話しますね、と謎の綺麗なお姉さんは口を開いた。





『…と言う事なんです…』

つまり話を整理すると…
このお姉さんは私達が住むこの世界を管理している女神様で旦那さんは何とあの『ポップンミュージック』の神様であるMZD。しかも私達が住むこの世界はポップンの世界から見るとお姉ちゃん達が主人公の漫画として知られているらしい。しかもアニメ化してるとか凄いな私達。
そしてお姉ちゃん達が行方不明になったあの日、MZDが新しいパーティーの所謂ライセンス曲枠で主人公であるお姉ちゃん達三人に出演交渉しに行って了承を得たので私達家族に事情を説明せずそのまま即ポップンの世界に連れて行ったらしい。

お姉ちゃん達はポップンの世界にトリップしていたのだ。

『本来ならご家族の方にも了承を得てから連れて行くべきなのに…あの人ったら…本当に…本当にごめんなさぁぁぁぁぁいっっ!!

いきなり大きな声で土下座しだす彼女にびっくりする私達だが構わずとにかく謝り倒す女神様。
そして冒頭の『謝罪の言葉オンパレード』に至ると言う訳だ。

「あ、あのとりあえず顔を上げて下さい。娘達が無事と分かっただけで十分嬉しいですし…」
『でも…それでは私の気が済まないんです!せめてお詫びに何かさせてください!!』
「何かと言われても…ねぇ、あなた?」
「うーん…」
『…!そうだ詠理さん、貴女お姉さんと同じでゲームとかお好きよね?』
「え?!ええ、まぁ…」
『最近のお気に入りって何かしら?』
「えっと、最近は戦国BASARAが…」

お姉ちゃん達が行方不明になるまでは毎日の様にプレイしてたからね。

『戦国BASARAですか…詠理さん、戦国BASARAのキャラ達と実際に会ってみたいと思いません?』
「実際に…ですか?」

それってつまり…

「あの、お気持ちは嬉しいんですけど私まで異世界トリップと言うのはちょっと…学校があるし両親も寂しがります」

第一向こう戦国乱世じゃん。
命の危険侵してまで行くのはちょっとなー…

『あら、トリップ以外にもキャラに会える方法ってあるんですよ?詠理さんならご存知のはずですけど』
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