戦国BASARA夢

□第2話
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「さて、挨拶も済んだ事だし買い物行こう買い物!」
「shopping?」
「うん、皆の服とか布団とか色々揃えなきゃ」

この家は元ホテル(お祖父ちゃんが経営しなくなった物をお母さんの結婚祝いにと階数減らして二階建てに改築し、プレゼントしたらしい)だから部屋数は有り余ってるんだけど私達は全員ベッドだし布団はたまに遊びに来る幼馴染み達の分の四組しかないんだよね。だからあと三組…

「そうだ、折角だから全員新しい布団にしたらどうだ?」
「本当!お父さん!?」
「ああ、新しい家族が増えた祝いにパーッと行けパーッと!」
「何と器の大きい…!父上はまるでお館様のようでござるな!!」
「なぁ、あんたの事親父って呼んで良いか?」
「おう呼べ呼べ!他の奴も好きな様に呼んで良いぞー!!」

幸村と元親は早くもお父さんに懐いている。
しかもちゃっかり『父上』と呼んでいる辺り、意外に幸村は順応性が高いのかもしれない。

「詠理、ついでに夕飯の材料も買ってきてくれないかしら」
「良いけど…今晩何にする?」

やっぱり純和食かな?
でも現代の食事する武将達も見てみたいし…うーん…

「もし迷うようだったらこっちの世界の料理で構わないよ?」
「舌も慣らさないといけねぇしな」
「そう?じゃあカレーにしようかしら」

あれなら一度で大量に作れるし彼らからしてみればかなり新鮮だしね。

「『かれぇ』とは何だ?」
「何か辛そうな名前だなー」

ちょ、ちゃんと発音出来ない元就可愛いんですけど!

「肉と野菜をスパイス…唐辛子とか胡椒とか色んな香辛料使って煮込んだ料理。確かに辛いけど美味しいよ」

でなきゃ一般家庭料理として普及しないだろうしね。

「買い物には皆で行くんだろ?」
「うん、服のサイズとか好みとか色々あるだろうからそのつもり」

逆トリ小説でよくある誰かを選んで、と言うのも一瞬考えたけどぶっちゃけメンバー選ぶの面倒臭い。
それにこの際全員外へ出して一気にこっちの常識を叩き込む方が私の性に合っている。

「そうか…車出してやりたいけど父さんこの後仕事の打ち合わせなんだよなー」
「大丈夫だよ。第一、うちの車じゃ運転手含めて九人は無理だって」
「奏君と響君に頼んだら?あのお家なら車二台あったでしょう。確か今音々ちゃんの件もあってお店一時休止してたはずだし」
「それ採用!ついでに服も借りちゃおーっと」
「服なら父さんの貸すぞ?」
「いいよ、お父さんの服着たらそっち関係の人にしか見えなくて職質されちゃう」
「!?」

今でこそ落ち着いてるお父さんだけど昔は暴走族の総長としてこの辺を改造バイクで走り回っていたらしい。
しかも服のセンスはまだ当時から抜けきっていないようで仕事用スーツ以外の普段着は派手な柄シャツがほとんどなのだ。
慶次や幸村ならまだしも元親や政宗、小十郎辺りがそんな物着て中学生の女の子(私)と歩いてみ?確実に職務質問だ。

一応自覚はあったのか、部屋の隅でいじけ出すお父さんをスルーしながら携帯電話を取り出すとからくり大好きな元親が即座に反応する。

「何だその小さいの!」
「携帯電話って言って遠くにいる人と会話したり文を送れる道具。ま、相手も同じ物を持ってないと出来ないけど」
「へぇー、便利な物があるんだね未来って」
「今からこれを使うから決して『誰もいない方を見ながら独り言話す痛い子』みたいな目で私を見ない事!」
「「いや、流石にそれは無い(でござる)」」

畜生!全員で綺麗にハモりやがって!でも言っとかないと絶対そうするはずだもんアンタ達!!
気を取り直して電話帳のメモリから年上の幼馴染みを呼び出し電話を耳に当てる。

トゥルルルルル…

『よーっす詠理!どうだ調子は?相変わらず学校以外は引きこもりかー??』
「…奏兄、自分から掛けといて何だけど切って良い?良いよね答えは聞いてな『わー!待て待てストップ!!俺が悪かった!!』…本っ当に一言多いよね奏兄は」
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