戦国BASARA夢

□卯月一日と奥州筆頭
1ページ/2ページ

「失礼致します。政宗様、執務の進みは如何で…政宗様ぁぁあ!?

部屋に入ってすぐ視界に飛び込んで来たのはいつから貴方は雷属性から闇属性になったんですか、と聞きたくなる程に凄まじい負の気を纏って机に突っ伏す主だった。

「Oh…小十郎か…俺はもう、生きる気力がねぇ…」
「一体何があったんです?!」
「実はさっき詠理が…」





「政宗様、政宗様!」
「Ah?どうした詠理」
「政宗様…詠理は…




詠理は政宗様が大嫌いでございます!
「…What?」





「…と、言う訳だ。詠理に嫌われたら俺には生きる意味が…」
「……………」

生きる意味って…天下統一はどこ行ったんですかあんたは。
とは言えあれだけ政宗様を慕っていた詠理がいきなり『大嫌い』と言い出すのも妙な話だ。

「分かりました、詠理がそのような事を言うにも何か理由がありましょう。小十郎が聞いて参ります故政宗様はここで大人しく執務をなさって下さい」
「努力はす「なさって下さい?」…I see.」

詠理を探し、城内を歩き回ると廊下で偶然にも詠理に会う事が出来た。

「あっ、小十郎様!」
「詠理、お前何で政宗様に大嫌いだなんて言ったんだ?政宗様落ち込んでるぞ」
「え?政宗様落ち込んでるんですか??おかしいなぁ…喜んでもらえると思ったのに」
「おい待て。何で大嫌いと言って喜ぶんだ?」
「だって…今日は卯月の一日でございましょう?今日は『えいぷりるふーる』と言う南蛮の行事で堂々と嘘を付いても良い日なのですよ。私てっきり政宗様も知っている物だとばかり…」

えいぷりるふーる?嘘を付いても良い日??
つまり…

「お前としては政宗様に『大好き』だと言ったつもりだったんだな?」
「え!?えぇ、まぁ、その…はい…」

『大好き』と言う単語に見る見るうちに顔を赤らめる詠理に短く溜め息を吐く。
その後、詠理が大嫌いと言った理由を話した途端「なら俺も大嫌いって言わなきゃいけねえな」とあっという間に復活して詠理の所に向かった政宗様と山積みの執務を見て…
もう少し理由黙っときゃ良かったか、と俺は胃の辺りを押さえて呟いた。





→後書き
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ