戦国カレイドスコープ

□第1話
1ページ/5ページ

川中島の平原…そこに四つの人影があった。

「政宗様…ついにこの日を迎えましたな…」
「ああ…今日こそ決着を付けるぜ…真田幸村!」
「旦那、必ず勝って帰って来なよ」
「無論だ!この真田源次郎幸村…全力で伊達政宗に挑み、そして勝つ!!」
「「手出しは無用だぜ小十郎(無用だ佐助)!!」」

互いに腹心と言葉を交わし、相手と向かい合う。

「Let's party!Ya-ha-!!」
「いざ、参る!!」

斬り合う二人、その表情だけを見れば到底命のやり取りをしているようには見えない程に活き活きとしていた。
だがやはり時が経つに連れ両方の体が傷付き、息も絶え絶えとなっていく。

「ぜぇ…ぜぇ…そ、そろそろ…限界みてぇだな…真田…幸村…」
「はー…はー…な、何を言うか…この幸村…限界などありはせぬ…!」
「強がるな…正直、俺もLimitが近いんでな…次で決めさせてもらうぜ!」
「良かろう…ならばこの幸村…全力でお相手致す!!」
「「うぉぉぉぉぉ!!!!」」
「MAGNUM STEP!!」
「火焔車ぁぁぁ!!」

互いの武器がぶつかろうとした瞬間、二人の間に眩い光が走った。
光の中から現れたのは若草色の体に青い瞳、小さな羽根を生やした今まで見た事も無い小さな生き物。
その生き物は二方向から自分に向かってくる武器に目を見開くと慌てたような素振りをし、再び光の中に消えようとする。

ただ、先程と違ったのは

「What?!」
「なっ…!」

政宗と幸村の二人も光に巻き込まれ、その中に消えようとしていた事。

「政宗様?!」
「旦那!!」

それぞれの腹心も光の中に消え行く己の主に駆け寄って手を伸ばし、共に光に飲まれる。
そして…光が消えると不思議な生き物と四人の姿は跡形も無くなり、川中島は静寂に包まれた。

そう、まるで始めから何事も無かったかのように。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ