戦国カレイドスコープ

□第3話
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鏡華ちゃん、ぐりーんに試合を申し込まれて戸惑ってるみたい。
そうだよね、もう『とれーなー』辞めてるって言ってたし。

「バトルって…私もう引退してるのよ?手持ちだって規定の六匹以上連れてるし…」
「お前…リーグ本部から頼まれてイベントで俺とエキシビジョンマッチやったの覚えてるか?」
「えき…って何?竜の旦那」
「簡単に言えば模擬試合だな」
「ああ、結局最後は私が圧勝したあれ?」

さり気に酷い事言ってるね鏡華ちゃん。

「そうそれ!あの時俺『また勝負しようぜ』つってお前も『良いよ』って言ってたのに…



お前あの何ヶ月か後にトレーナー引退しただろ!!」
「あー…そう言えばそんな事もあったような…」
「再戦目指して特訓してたのにお前が引退したから不完全燃焼なんだよ!だからバトルしろ!!」

どうしよう?、と言いたげな視線を俺様達に向けてくるけど…

「ま、約束したんじゃしょうがないよねー」
「鏡華殿頑張ってくだされ!」
「約束は守るべきだろ」
「ポケモン同士のBattle見てみたいしな!」
「審判は儂がやるぞー」

うん、今回は鏡華ちゃんに非があると思うし…正直言って全員本音は竜の旦那と同じなんだよねー。

「…1対1の手持ち交代無し一本勝負、それならやってあげる」
「乗った!」

鏡華ちゃんが小さく溜め息を吐いてから諦めた表情で条件を提示するとぐりーんは指を鳴らして満面の笑顔に変わった。

「街中じゃ危ないから7番道路に出ましょ。…ファンに見付かると厄介だし」
「だな」

聞けば現役じむりーだーのぐりーんには勿論、既に引退している鏡華ちゃんにもふぁん…慕ってくる人達が大勢いるらしい。
街の中で試合してその人達に見付かると囲まれて出発出来なくなる可能性があるから、と他の街に行く途中にある野原で試合する事になった。

「ではこれよりマサラタウンのグリーンとエンジュシティのキョウカの試合を始める。使用ポケモンは一体、先に戦闘不能になった方の負けじゃ。それでは…始め!」
「行け、ナッシー!」
「出て来て、ジュリ!」
『うっしゃー!』

ぐりーんが出したの大きな木みたいな体に足が生え、木の実に顔が付いたぽけもん。
対する鏡華ちゃんは若草色の体で耳や尾の部分が葉っぱみたいになってる四つ足のぽけもんだ。

「ほう、ナッシーとリーフィアか。草タイプポケモンの対決じゃな」
『ふわぁ…呼んだぁ?キョウカちゃん』
「ジュリ、グリーンとバトルだよ」

樹莉と呼ばれた若草色のぽけもんは欠伸をした後、ぐりーんの出したぽけもんを見て…

『…え〜?あたし眠い〜』

キュウ、と不満げに鳴いた。

「いや眠いじゃないよ!」
『ライネ君に頼んで〜。ほら、やる気満々だよ〜?ボール暴れてるし〜』
「残念ながら交代無しの一本勝負です。…これ終わったら幾らでも寝て良いから、ね?」
『しょうがないなぁ…』

鏡華ちゃんの説得でやる気になったのか、樹莉はぐりーんのぽけもんの方を向いた。
そう言えばさっき移動手段を決めた時に黒月と話してる時も思ったけど…どうして鏡華ちゃんはぽけもんと会話が成立してるんだろうか?試合が終わったら訊いてみよう。
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