戦国カレイドスコープ

□第6話
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はいはいどうも一応ヒロインのキョウカちゃんですよー。
今私達はミツハニーの大群に追っ掛けられてます。それは何故か?早速原因であろう一人と一匹に訊いてみたいと思います。

「っつー訳でココア!幸村!あんた達何やらかしてこうなったのか正直に白状しやがれぇぇぇ!!」
『パパァァァ!ママァァァ!ご主人様が怖いよぉぉぉ!!』
「さ、佐助!鏡華殿が般若の如き形相だぞ?!」
「誰のせいだと思ってんの!!」

必死こいて逃げながら聞き出した事情はこうだ。
ヤマブキシティを出てすぐ、無邪気な性格で甘い物が好きなココアと同じく甘党の幸村が近くにあった木から甘い香りを嗅ぎ付けたらしい。(“かぎわける”も出来ないのにある意味大したもんだ…つか、幸村あんた人間か?)
それで香りの元を知りたくなったココアが幸村に頼んで木に向かって一撃入れたらボトリと落下して来たのが元々夜にお互い密集して巨大な巣になる習性を持ったミツハニーの群れだった、と言う訳だ。
その上こいつら逃げる寸前に巣に貯めてあった“あまいミツ”を多少なりとも失敬して来たらしく口の周りがミツでべったりしていたりする。

「ちょっと!あれだけ朝食平らげといてまだ足りなかったの?!」
『だって甘い物は別腹なんだもん!』
「別腹でござる!」
「威張るなぁぁぁ!!」

更に厄介な事に、群れの先頭を飛んでいる奴…おそらく群れのリーダーであろうそいつは私の見立てが正しければかなり経験を積んだメスのミツハニー。

つまり…

「おい鏡華!先頭の奴、何か光りだしたぞ?!」

あー、やっぱりなー…。

「…皆、昨日オーキド博士からポケモンが強くなるとどうなるかは聞いたわよね?」
「確か…Evolution(進化)するんだったか?」
「That's right(その通り)!」

…まあ、種類によっては進化しない奴もいるけど。

「それとあの光って関係有るの?」
「良かったわねー、貴重な進化の瞬間を目の当たりに出来るわよ?只でさえミツハニーはメスしか進化出来ない種類だし」
「おい、それってまさか…?!」

小十郎さんが慌てたような声を出したのと同時に光は一段と強くなり、僅か0.3mしかなかったミツハニーの体がぐんと大きくなった。

「ご紹介しましょう…





ミツハニー(メス)の進化系、“はちのすポケモン”のビークインでーっす☆」
「「呑気に紹介してる場合かぁぁぁ!!」」
「うっさい!現実逃避位させろぉぉぉ!!」

つか今までの会話ずっと走りながらだよ!凄くない?!
そんなランニングコントを繰り広げる私達を余所に新しい女王の誕生に歓喜の羽音を挙げる他のミツハニー。その激しい羽音に混ざってビークインの鳴き声が聞こえてくる。
怖い物聞きたさで手持ち達に首輪タイプを着けた為、使用する必要が無くなったイヤリングタイプのポケリンガルを再び装着すると聞こえてくるのは…

『よくも妾の“あまいミツ”を…赦さぬ、赦さぬぞぉぉぉ!!』
「女王様ご乱心んんん!!」

どこぞの童話に出て来る女王の如く「その者の首を撥ねよ!」とか言い出しかねない程に滅茶苦茶ご立腹なさっているビークインの声だった。
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