ポップン単発夢
□甘えん坊の独立宣言とその結果
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突然だが俺の彼女は甘えん坊…誰だ、今ノロケとか言った奴は?
同じ学校の同じ学年、違うクラスで名前は律夏。こいつには廊下や学食、体育の合同授業…とにかく顔を合わせれば所構わず抱き付いてくる癖がある。毎日登下校を共にしているにも関わらずだ。
ところがつい先週の事…
「ヒュー!私暫くヒューに抱き付くの止める!後明日から送り迎え来なくて平気だから!!」
「はぁ?どうしたいきな「とにかく止めるの!!」
そう言い切られて早一週間、初めはいつも…時には背後からいきなり抱き付かれていた事もあって正直ホッとしていたのだが段々とつまらないと言うか何と言うか…うん、ぶっちゃけ物足りない。
第一、何故突然そんな事を言い出したんだろうか?抱き付きと送り迎えが無くなっただけでそれ以外は普段と変わらないから嫌われたとかでは無さそうだし。
そんな時だ、クラスメートに質問されたのは。
「なぁ、ヒュー最近律夏と喧嘩したのか?」
「いいや、何でだ?」
「この間律夏が朝走って登校してるの見掛けたから。アイツの送り迎えお前の日課だったじゃん?」
走ってる?律夏が??
「あ、それ俺も知ってる。つか俺部活の朝練で早く来るけど毎朝見てる気がする」
と別のクラスメート…ってちょっと待て、毎朝?!
一体どういう事だ、俺に抱き付かなくなった事と何か関係あるのだろうかと放課後また一人で帰ろうとする律夏を捕獲して問いただす事にした。
「律夏、お前最近登下校走ってるらしいじゃないか。何か理由でもあるのか?」
「え!?べ、別に理由は「無いとは言わせないからな?」う゛ー…分かった、白状します…」
そして律夏の口から告げられた事実は…
「は…?太っ『そんな大声で言わないでぇぇ!!』…悪い」
「この間量ったら増えてたの…多分ヒューに送り迎えしてもらって自分で移動する時間減ったから…だからダイエットしようと思って…」
「俺に抱き付かない宣言したのもそれと関係あるのか?」
「うん。ヒューさ、ビックリして文句言ったりしても何だかんだ言って抱き締め返してくれるじゃない?その時にバレるの嫌で…」
「お前なぁ…馬鹿だろ」
「何よ馬鹿って!私は本気で…っ!?」
呆れた俺に言い返そうとした律夏を初めて、俺の方から抱き締めて黙らせる。
「お前元々細っこいからちょっと位ふっくらしてるので丁度良いんだよ。だから、いつもみたいに奇襲して来い…物足りないんだよ」
「ヒュー…うんっ!」
こうして再び律夏に抱き付かれる日常が俺に戻ってきた。
ただ、最初と違うのは…
「ヒューはっけーん!」
チュッ♪
律夏にとってもあの禁・抱き付きはかなりキツい物だったらしく、最近では俺を見付ける度抱き付くのみでなく頬にキスなどスキンシップがレベルアップしたのだった。
「相変わらず熱いなーお二人さん!」
「当ったり前よ!だって私ヒューの事大好きだもん♪ね、ヒューも私の事大好きだよね!」
「いいや?」
「え゛っ!?」
でも…
「俺は『大好き』じゃなくて『愛してる』だからな」
「…っ!私も!!」
こんなやり取りを平気で出来る辺り、俺も意外と律夏に負けない位甘えん坊なのかもしれない。
終
→後書き