紅の死神
□紅と白
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「レン、寝てろ。着いたら起こしてやる。」
「ああ、ありがとう。」
神田の膝を借りてすぐに寝入った蓮華に、アレンは先ほどの疑問を思い出す。
「あの、蓮華はどこか悪いんですか?」
資料から目を離してアレンを見た後、神田は蓮華に視線を落とした。
「…レンは日の光に弱い体質なんだよ。昔は今程じゃなかったがな。
今じゃマント無しで、昼間に歩くことすらできねぇよ。」
「え…?」
「たまに、突然ぶっ倒れる事もある…。だが医療班に診せても、原因がわからねぇんだ。」
「どうしてそんな体なのに、任務に行かせるんですか…?原因がわからないのに…!」
「レンもエクソシストだ。」
「っでも…!」
「静かにしろ、レンが寝てる。」
納得がいかないアレンだが、これ以上騒ぎ立てて蓮華を起こすわけにもいかない。
寝息を立てる蓮華の髪を撫でる神田に、アレンはもう一つ質問した。
「…恋人、なんですか?」
「っ!?んなんじゃねぇよ…。くだらねぇ事言ってねぇで、資料に目を通せ。」
一瞬赤面した神田に、アレンは何となく察する。
三人が向かうのは南イタリア。
神に見離された地と呼ばれる"古代都市マテール"。
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