紅の死神
□守りたいもの
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夢に見るのは暗く冷たい、闇の中にいる自分。
光を欲せど叶わない。
だって私は、太陽に嫌われた―…
日の光を浴びることさえできない、死神だから。
光を纏う君が眩しくて、羨ましくて。
手を伸ばす度、その距離に絶望する。
笑い声が聞こえるんだ。
届かないとわかっていてもなお、手を伸ばす滑稽な私を嘲笑うように。
どうせこの闇から抜け出せないなら、君の影なりたかった。
暗闇にかき消されるけれど、君の一番傍にいて。絶対に離れることはないから。
光の下に姿を満足に晒せない私には、ぴったりだろう?
そう言えば君は、何て言うだろうな?
君の事だから、きっとくだらないって怒るんだろう。
それでも私は…