紅の死神

□黒の教団壊滅事件!?
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向かった任務先は、空振りだった。

イノセンスがあるとの誤報を訂正する連絡をしようにも、通信機が壊れたうえに他に手段もなかったらしく。
街に着いた瞬間、探索部隊に謝られたのだ。

神田も予想だにしてなかった事に呆気にとられて、怒鳴る気も失せてしまったようである。
つまり、とんぼ返りという無駄足を践まされたのであった。


(まぁ仕方ないか…。)


教団に戻るために列車に乗り込むと、神田は頬杖をついて舌打ちや溜め息を何度もついている。

それにしても、神田がこんなに溜め息をつくなんて珍しい。それほどにショックだったのか。


「ユウ、そう落ち込むな。」


「落ち込んでねぇよ…。」


「今の溜め息で、10回目だぞ。」


「んなもん数えなくていいんだよ。」


「コムイが前に溜め息をつくと、幸せが逃げると言っていた。だからついちゃ駄目だ。」


「はぁ…科学者が何科学的根拠のない事ほざいてんだよ。」


「嘘なのか?」


「何だ、信じてたのか?」


(帰ったらシバく。)


「…まぁ、言い伝えっつーか。昔からそういう話があるだけだ。」


蓮華の僅かな殺気に、神田は一応フォローをいれておく。蓮華は冗談が通じないだからだ。

ちなみに力加減も知らない。



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