紅の死神

□黒の教団壊滅事件!?
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「リナリーっあの中にアレンと神田が閉じ込められたんだ!今蓮華が救出してるっ!」


「アレン君…帰ってきてるの?」


コムリンはイノセンスを発動して立ち向かってくるリナリーを捕まえようとするが、ヒラリと避けられる。
縦横無尽に動き回る蓮華も、捕まえられない。

リーバーがもらったとばかりに不敵に笑った。


「へっへ…イノセンスを発動させた二人を捕まえられるもんかよ…。
胡蝶のように天空を舞い、鋼鉄の破壊力で地に堕ちるリナリーの【黒い靴】に…

桜吹雪の如く予測不可能な動きと、抜群の破壊力を誇る蓮華の【千桜】…っ勝ったも同然だ!」


「「これで…っ最後(だ)!」」


「花鳥風月。壱の舞い"桜舞"!」


鎌の刃に埋まった赤い石から、淡い光が放つ。コムリンが蓮華の姿を感知した時には、目の前に迫っていた。
次の瞬間には、鋭い刃が硬い機体に突き刺さる。


「円舞…"霧風"!」


千桜で切り裂かれ、黒い靴で吹き抜けまで吹き飛ばされたコムリンは動かなくなった。

蓮華はすぐさま、千桜で切り裂かれた手術室の扉をこじ開ける。
包帯でぐるぐる巻きにされた二人を救出すると、すでに動かないコムリンに非難が飛んだ。


「何がコムリンUだっ!」


「いらん仕事増やしやがって!」


「ぶっ壊せ!」


「コムリンは悪くない!悪いのはコーヒーだよっ!」


泣きながらコムリンを庇うように、立ちはだかるコムイには最早呆れ顔である。


「罪を憎んで人を憎まず。コーヒーを憎んで、コムリンを憎まずだ。リナリー、蓮華ちゃん。」


格言のように言ったコムイに、反省の二文字はない。顔を見合わせた二人は、ふ、と微笑んだ。


「仕方のない奴だ。」


「そうね。」


その微笑みに、コムイは許してくれたのだと明るい表情になる。


「兄さん。」


「コムイ。」


「「ちょっと反省してきて(こい)。」」


二人の重い蹴りが、コムイごとコムリンを吹き抜けの下に落とした。

こうして、この騒動は幕を閉じたのである。

しかしその被害は大きく、団員総出の修理作業がこれから始まるのだ。

研究員達の眠れない夜は、まだまだ続きそうである。


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