紅の死神

□Mind reset
1ページ/12ページ



「お前らは誰だ?」


蓮華のその言葉に、神田の思考は停止した。


「何言ってるさっ蓮華!ラビさっわかるだろ!?」


ラビは蓮華の肩を掴んで激しく揺するが、蓮華は無表情のまま淡々と言う。


「"らび"?お前の名前か?知らんと言ってるだろ。離せ。」


掴んでいるラビの手を払い落とした蓮華は、辺りをまるで初めて見るかのように見回した。


「此処はどこなんだ?さっきから"れんげ"と言っているが、それは私の名前なのか?」


蓮華は冗談なんて言わない。ましてや、こんな趣味の悪い冗談なんて嫌いなのだ。
アレンは戸惑いながら、コムイへと目を向ける。


「…コムイさん、どういうことなんでしょう?外傷はないって、医療班の人が言っていたのにどうして…?」


「…蓮華ちゃん。これは何かな?」


コムイは近くにあった花瓶を指差した。それを見た蓮華は、見たままを答える。


「花瓶だ。」


「何をする為の物かな?」


「花を飾るんだろ?」


その他にもいくつか質問をしたコムイは、その場にいた四人を連れて室長室へ戻った。


「兄さん…。」


「確認したところ、どうやら知識は前のままのようだ。」


「人や場所に関してだけ、記憶を失したってことですか?」


「もう少し、早くに話しておくべきだったかもしれないね…。

蓮華ちゃんは、本当なら四年前に死んでいる筈だったんだ。」



次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ