紅の死神

□大切なヒト
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静かな満月の夜―…

月をバックにゆらゆらと浮遊する一つの物体は、高くそびえる黒の教団を愉快そうに眺めている。


「さぁテ、準備は整いまシタ。【シャドウ】。イヴを宿す肉体を迎えに行って来て下さイ。」


レロを手に持ってフワフワと宙を浮く千年伯爵の左手から、黒い液体のような煙が飛び出した。
そして、暗い夜の闇へと消えていく。


「東の島国の言葉に、"二兎を追う者は一兎をも得ず"とありマス。集めたイノセンスを奪うのもいいデスガ、今回は一つを確実に得まショウ。」



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