紅の死神

□闇へいざなう者
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神田達が町についたのは、昼過ぎであった。至って普通の穏やかな雰囲気に、まだAKUMAの襲撃前かと一安心する。


「まだAKUMAは来ていないようですね。」


「先回りできたのかしら?」


「!」


「ユウ?」


神田が黒く焼け崩れた家に行くと、足元にはかろうじて宿屋と読める看板があった。
そこはかつて自分が怪我の手当をした場所であり、老婆がいた場所。近くを通った町人に、神田は声をかける。


「火事か?」


「ああ…旅の人かい?昨日の夜に燃えちまったのさ。中にいた婆さんも一緒にな。」


「…そうか。」


「最近病気を患っていたから、逃げようもなかったんだろう…。ところでアンタ、前に会った覚えがー…」


「大変だー!!隣町が襲われちまったぞ!」


「「「「!!!」」」」


町人が神田に何か話し掛けようとした時。必死の叫びを上げる別の町人が来た。
その言葉に急ぐ町人達と共に森を抜けると、そこはAKUMAに破壊された悲惨な町の状況。
建物は崩れ、AKUMAの弾丸の犠牲となった灰がそこかしこにある。何度見ても慣れない光景に、リナリーは口を両手で覆った。


「ひどい…っ」


「町の人間が誰も居ねぇんだっどこにも…!」


先程話していた町人は、思い出したように神田を指差す。


「思い出したぞっお前あの時の…!四年前に化け物を連れて行った男だな!?」


「死神と一緒に、仕返しに来やがった!!」


「待って!私達じゃないわっ」


「うるせぇっあの化け物はどこだ!?」



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