太陽と月の土壇場
□シャットダウンする前に。
1ページ/6ページ
「お帰りなさいませ。」
仕事で遅くなった隊を、翡翠は玄関で出迎えた。待っていてくれたことに喜びを感じながらも、近藤達は驚く。
「あれ!?翡翠ちゃん、まだ起きてたの!?」
「はい、お疲れ様です。夕食にしましょう。
夜も遅いので、ご飯ではなく雑炊にいたしました。
煮物も温め直しますので、食堂でお待ちになってくださいな。」
「いやいや悪いよ!温め直すくらいやるよ!?」
「お気になさらず、私にさせてくださいな。すぐに暖かいお茶をご用意しますね。」
「なら、俺ァ雑炊を配膳しますかねィ。」
「待て。俺の分にだけ、細工するつもりだろ。」
「いっけね!」
「ざけんなテメェ!!」
取っ組み合いを始める二人に、近藤が仲裁に入った。翡翠の笑い声に、総悟達は動きを止める。
「すみません。本当に、仲がよろしいのですね。」
「がっはっはっ!全くだな。」
「フンッ。」
「冗談じゃねーや、さっさと飯にしやしょうぜ。」
食堂に集まって、温かい雑炊を囲んだ。疲れた体にその温かさが染み渡る。
食べ終わった食器を片付けた翡翠が台所を出ると、壁に寄り掛かる総悟の姿があった。
「ちょイと、いいですかィ?」
「?はい。」
ついていった縁側に座ると総悟は袖から袋を出し、中身を取り出す。