Gray short dream
□過去の超短編集
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紅の死神
ある日の午後―…アレンはコムイに頼まれて、書庫に資料を取りに向かった。
そこに、いつもの仏頂面で本を読んでいる蓮華を発見する。
「あ、勉強ですか?」
「ああ。」
(あんなに真剣に…何を読んでるんだろ?)
アレンがちょっとした好奇心でその本を覗き込むと、それは誰もが知る有名な【アン○ンマン】だった。
「アン○ンマンって、凄いよな!」
「そうですね。」
目を輝かせている蓮華に、笑みがこぼれるアレン。
室長室に戻ったアレンは、早速今の気持ちをコムイへ打ち明けた。
「コムイさん。僕、蓮華と仲良くなれそうな気がします!」
「?それは良い事だね。ところで資料はどうしたんだい、アレン君?」
「あ、忘れちゃいました。」
春うららかな、ある日の午後でした。
*