紅の死神
□夢の終わり
2ページ/8ページ
気を失った少女を掴んだ手では、落ちていく蓮華の体へ手を伸ばすことも出来ない。
激流の中へ飲み込まれた蓮華に、アレンは青ざめた。
「蓮華!!」
「危険です!アレンさん!!」
少女を引き上げてすぐに飛び込もうとするアレンを、リッシュは羽交い締めにして押さえる。
意識を取り戻したジャンと共に、力ずくでその場からアレンを離れさせようとした。
しかしアレンはそれを振り解こうと、抵抗する。
「離してください!蓮華が落ちたんです!早く助けないと!!」
「もう間に合いません!!」
「っ!」
「…っこの豪雨で、川の流れが速くなっています。今飛び込んだら、貴方まで流されてしまう!」
「だけど!!!」
「お願いします…。地盤もゆるんで、此処も危険なんです。一旦非難しましょう。」
「皆さんも早く!ここから離れてください!」
事の事態に落ち着きを取り戻した村人達は、各々の家に戻っていく。アレン達はウィリアムの家に非難した。
「どうぞ。」
「…有り難う御座います。」
濡れた服を着替えたアレンは、ウィリアムから温かいコーヒーを受け取る。リッシュは教団へ通信していた。
「こちら探索部隊リッシュ=ロス。緊急連絡です。室長に繋いでください。」
通信班の許可が降りると、コムイが出る。
《―…はい。》
「緊急事態です。任務中、子供が崖から落ちる事態に救助した蓮華さんが川へ落ちてしまいました。」
《何だって!?》
「豪雨により流れが速く、崖の高さとあの流れでは…安否は不明です。」