小説もどき
□〜旅〜子供の話(オリキャラ)
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〜次の日〜
「じゃぁ、いってきます!」
香澄は元気にそういった。
「無事に帰ってくるのよ…。」
かごめは心配そうにしていた。
「そうだわっ!!香澄…これ。」
かごめは香澄に、昔自分が使っていた梓弓を手渡した。
「たいしたものじゃないけど…持っていって。」
「ありがと…お母さん…」
香澄は泣きそうになった。
今から自分たちは親から離れ、旅立つのだと思って…。
「あれ?お父さんと有夜は?」
「まだ家の中なんじゃないかしら?」
二人はこっそり家の中をみた。
「じゃぁ…俺行くな。」
こちらもまた、別れを告げていた。
すると犬夜叉はいきなり
自ら、腰にさしていたものを抜き
「ほらよ…持ってけ」
犬夜叉もまた、かごめのように自分の大切なものを渡した。「父さん……これっ……」
そう、鉄砕牙だった。
自分の父親の形見で、肌身はなさず持っていたこの鉄砕牙を…今、有夜に手渡したのだ。
「いいの?こんな大事なもの…。」
「いいか?折るな、乱暴に使うな、いらねぇ時に抜くな、変なことすんな…。」
「はっ……はいっ」
「よしっじゃぁ、さっさと行け!!」
「おう…じゃっ」
今度こそ別れて、姉弟二人っきりの旅がはじまった。