小説もどき
□〜旅〜子供の話(オリキャラ)
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…あれからどれくらい走っただろう…
あの武器は見あたらない
「ハァ…ハァ…ここまでくればっっ大丈夫かしら?」
「フゥ…俺らどれくらい走った?」
「だいぶ走ったよ…」
有夜はまわりを見回して変なことに気づいた。
「なぁ…さっきここ通らなかったか?」
「えっ!!!うそっっ」
「しかも、こんだけ走ったんだ…もうここを抜けれてもおかしくねぇはずだろ?」
「それもそうね…。
でもまぁ〜逃げ切れたんだし〜」
「誰が逃げ切れたって?」
香澄の声を遮るように上から女の声がした。
「へぇ!?」
「ちっ!!!」
逃げ切れたのではない…ただ、この深い深い森を走りまわされただけなのだ。
スタッと降りてきたのは、女と男だった。
「?…なんか…見たことあるような…無いような服装だね…。この人達?」
香澄は有夜にそう言った。
「う…ん?」
不思議な組み合わせだった…
ほかの何でもなく、服装が。
香澄と変わらない年頃であろう女は、防具のようなものを身にまとい、髪は後ろで束ねている。
有夜とは三つほど年上と見られる男は、法衣を身につけている。
「なんか…見覚え無い?」