08/26の日記

17:10
1st
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夏祭りの出来事…

確かに、そんな事もあった…


しかし、その後 任務で会っても
お互い、特に変わりなく

その事に、触れる事も無かった


シカマルの中では、

“あれは、夢だったんだ”

と、胸の奥底に封じられていた事だった




あれから、半年…

今頃になって

あの日の事を持ち出す
テマリの真意が、分からない



ましてや


だったら、いいだろう


と、テマリの泊まる宿に
連れ込まれているこの状況が、分からない…


冷汗を拭う


今のうちに、帰ってしまおう
めんどくさい事になる前に
と、立ち上がろうとすると


お風呂場より、テマリが出てくる


宿の浴衣を着て、下ろした髪を拭きながら

「どうした?」

と、近づいてくるテマリに
焦りながら、後退る


「…いや…なんで、こんな事になってるのか…
と思ってよ…」


テマリが、シカマルの隣に座る
漂よってくる よい香りに
鼓動が、一際大きな音をたてる


「…だってよ…
あれ以来、特に何も無かったじゃねぇか…」


自分が、座っている位置を
少しズラしながら話す


「急な展開に、ついていけナイか?」


テマリは、片方の口角だけを 上げる


「お前は、私の事を好きなんだから
それでいいじゃないか」

空いた距離を埋めるように
四つんばいで
ニジリ寄ってくる


「こういうコトは… 好き合ってる… 恋人同士が、することだろ…?
ましてや、女からなんてよ…」


また、距離を空ける為に
後退る


「相変わらず、男だ女だと
煩い奴だなぁ」


と、妖艶な微笑みで
空いた距離を埋めてくる


「…俺は、順番を踏むタイプなんだ…
粋なりこれは…」


尚も、近づいてくるテマリ

「私達は、忍びだ
いつ何があるか分からない
時間をかけて、順番を踏むなんて
まどろっこしいとは、思わないか?」


今にも、触れそうな距離に
ドギマギしながら


「まっ… 待てって
それとこれとは、話が…」


「違うか?
男と女なんて、そんなモノだろう?
それとも… お前は、私が好きでは無いのか?」



何も言い返せない


確かに、嫌いでは無い


ただ… これが、好きという感情なのか?

確かに、あの夏祭りの夜
柄にもなく “守ってやりたい” と思った

その後も、変わらないテマリの態度に
なぜか、苛立ちを覚えたり

逆に、変わらない態度に ホッとする自分もいて

この気持ちが何なのか

モヤモヤとした形のナイ
薄氷のような危うい気持ちを
持て余していた



「俺は、好きという感情が… わからねぇ…
あんたの事は、嫌いじゃない…
むっ…寧ろ …好意を…」


語尾を濁すシカマルに


「はぁ?!聞こえナイぞ!」


と、背中を おもいっきり叩く


「いってぇよ…」


背中を擦りながら、慌て続ける


「ただ、それが… 好きってコトか …どうか …?
なのに… あやふやなまま、こんな なし崩しになっちまうのは…」


しどろもどろのシカマルに


「お前、女性を好きになった事がナイのか…
て、事は…」


顔が急速に紅くなる


「…したコトねぇよ…」


てっきり、笑われると思い
覚悟していたら


シカマルの耳に


「… 私もだ…」


と、消え入りそうな声が
聞こえる


驚き、テマリを見ると
真っ赤な顔をし
唇を噛んでいた


「はぁ?! だったら何故こんな事 してんだよっ」


「…ちょっと事情があってな…
う〜ん… 困った…」


ナニかを、考え込むテマリに


「…なんなんだよ
……
……
取り敢えず… その体制
ナントかしてくんねぇ?」

テマリは、シカマルが指差す先の
自分の姿を見ると


裾が乱れ 胸元が開き
胸が、露になりそうになっていた


「見るなっ!」

傍にあったタオルが、飛んでくる

紅い顔で、急いで
シカマルに背を向け 欲衣を直す


「さっきまで、俺に迫ってたくせに…」

顔にぶつかったタオルを
取りながら、ボソボソと言うと


「うるさい!」


怒鳴られる




「で…なんか理由があるのか?」


シカマルが、ちゃかすような態度から
真剣な表情に変わる


テマリは、言いにくそうに
ポツリポツリと話す


「…私は、前風影の娘
今は、現風影の姉でもある…
だから… 今まで… 色任務は、回ってこなかった…
しかし… いつまでも そういう訳には、いかないだろ… 」


シカマルの顔が、歪む


「いや… 本では、一通り習ったり
実戦擬きな事も… したりは、したんだが…
立場的なモノもあるのか、最後までは…」


テマリは、熱を持つ顔を
仰ぎながら
しどろもどろ 話す


更に、歪む顔を隠し


「で、なんで…俺なんだよ…」


と、怒ったような口調のシカマルを
疑問に思いながらも

紅い顔をしながら答える


「お前… あの時、キスがうまかったから…
てっきり…」


お互いの顔が、耳まで紅くなる



テマリは、1つため息をつき


「…しょうがナイ…
誰か、他をあたるか…」


と、呟いた


シカマルの眉間に、シワが寄る


「…他って …誰だよ…」

暫く真剣に考えているテマリを見つめ
ため息をつく


「…木ノ葉一の技師 と
名高い、カカシ…とか…?
……
……
いや…ちょっと、イヤかも…」


眉間のシワが、更に濃くなる


「…お前は、誰でもよかったのかよ…」


シカマルの表情に


「なんで、お前 怒ってるんだ?」


不思議そうなテマリ


「…別に」


“そうか” と素っ気ない返事を返し

また考え始め


「う〜ん… 難しいなぁ…
あっ!日向ネジ!あいつは、どう…」


最後まで言い終わらないうちに
布団に押し倒される


「痛い!…」


余りの勢いに、頭をぶつけ
文句を言おうとシカマルの顔を覗き込むと


真剣な眼差しが、突き刺さる


押さえつけられた両腕が、軋む


「…どうするつもりだ」


びくともしないシカマルの手に
上ずった声になる


「最初のお前の計画通りに、すんだよっ」


いつもより 低い声に 驚く


「…だってお前 …順番を踏む… って…」


「お前が、まどろっこしい…ったんだろ」


シカマルの顔が、近づく


「だって… 私のコト…
好きじゃ… ナイだろ…?」


更に、近づく顔


「好きだ… 多分、あの時からずっと…」


唇が触れそうな位置


「…多分て…」


苦笑いするテマリ


「今、気づいたばっかだ…
誰にも… 渡したくねぇ…
そう思った…」


シカマルの愛しむような
優しい眼差しに


「…気づくのが… 遅いんだよ…」

小声で呟く


瞳が、潤んでいく


「したことナイくせに…」


溢れる雫が、零れないように

そっと、瞳を閉じた


「うっせーよ…」


ゆっくりと、唇が重なる


何度も、重なる唇に
2人の間の空気も艶を増す

戸惑いがちに、それでも
徐々に進んでいくシカマルの手に 
ドキドキし、身体に力が入る 


硬直している テマリの耳元で


「さっきまでの勢いは、どうした?」


と、囁かれると
元から、紅いであろう顔が 更に紅く熱くなっていく

「…うるさ…い…」


やっと返した一言が、自分のモノとは 思えない
甘い声で、驚く


「…やべっ …止められねぇ」


シカマルは、眼をキツク閉じ
テマリに触れていた手を、握りしめると

深く、深呼吸をしてから
テマリの目を、じっと見つめる


「…肝心な事 聞いてねぇ…
…おまえ、本当に 誰でもよかった のか?…」


乱れた息を、抑えながら 話す シカマルの頬に手を伸ばし
何も言わず 微笑む


その、テマリの手の上から
自分の手を 重ね


「おまえの気持ちは…
どうなんだよ…」


さっきまでの余裕は、嘘のように
刹那げな表情のシカマルに


「おまえの頭は、こういう時には 働かないんだな…」


空いてる、もう片方の頬に 手を添え
包み込んだシカマルの顔を
引き寄せる


「俺が…最初で、いいのかよ…」


唇が触れる寸前


「おまえが… いいんだ…」


囁かれた言葉に


再度 唇が重なる


先ほどとは、違い
迷い無く進んでいく行為に
翻弄される


指先が 胸の頂きに触れる頃には

テマリの唇から、甘い吐息が洩れる


シカマルの優しい指使いに


「…おっ… おまえ… ホントに… 初めて なのか…」


あがる息で、やっと言葉にすると

シカマルは、

「…何度も、言わせるなよ… 恥ず…いだろ…」


と 深い口づけで、紅くなる顔を ごまかした


何度も交わされる口づけに
乱されていく思考


脇腹を辿り、下腹部へ降りた指を
テマリの手が、止める


不安げな、テマリの表情に

「今更… やめらんねぇーぜ… 」

と、喉の奥で くくっ と笑った


敏感な部分を撫でられ
艶のある声が洩れる

「…あっ…あぁ…」


シカマルが、ニヤリと笑いながら


「色っぽい声だな…」


耳にかかる
シカマルの吐息だけでも
どうにかなってしまいそうで

必死に、否定の言葉を紡ぐ


「…バ…カっ…」


指が、挿入される感触に
身体が跳ねる


「痛いか?」


とても心配そうな顔のシカマルに

軽く左右に首を振る


「痛かったら言えよ…」


やわらかい微笑みで、頭を撫でられる 


徐々に増えていく指に、身体が反応する


「…カカシとネジは …止めとけ…」

急に話を、むし返され
出てきた名前と
シカマルの、バツの悪そうな照れた表情に クスリと笑うと


「…他の奴なら …いいのか?」


乱れる息で、答える


「…ダメだ …俺だけにしておけ…」


額に薄らと汗を浮かべながら、片方の口角だけ 上げると


指が抜かれる


真剣な瞳のシカマルが


「いいか…?」

と、問いかけてくる


頷いたのを、合図に
テマリの身体を労るように、ゆっくりと挿入されるシカマル自身に


身体が、強ばり
異物感に、眉を寄せる


「大丈夫か?…」


テマリの引きつる笑顔を
思わず、抱きしめ 肩口で

「…止めとくか?」


と、優しく囁くシカマルに


「大丈夫だ…」


と、苦しげな表情で答える


シカマルは、テマリの額に 口づけると


「力、抜けよ…」


ゆっくりと動き始める


キツク、目を閉じていた
テマリから


甘い吐息が洩れ出したころ


「…おま…え…いつから、俺と…こうなってもいいと…思って…たんだ」


言葉を発する、シカマルの息もあがる


テマリも、途切れ途切れに 答える


「…あの夏祭りの …夜からだ
…こうなるのは …お前が …いい と…」


律動が、早まる


快楽の淵に、落ちる間際


「…あの日 …だったんだな」


との囁きで、テマリは 意識を手放した



あの日から、始まった想い
あの日に、気づいた想い

互いの奥底にしみ込んだ
想いが 一つになる





次の日



艶のあるフインキを漂わせ
並んで歩く
砂の使者 と 木ノ葉の案内係の姿を見掛け

ニヤニヤしながら、声をかけようとしている

ナルトの背後で、声がする


「ナルト…野暮なコトは、聞くな
なぜなら、それが大人のルールっていうものだからだ…」


「シノ… 」


苦笑いする ナルト


「…でもよっ …我愛羅が、許すと思うか?」


2人、過去の中忍試験時の我愛羅を 思い出す


背筋を過ぎる、イヤな悪寒に

シカマルの身を案じた






end 





裏 ヘターーッッ(@_@;)

終わりは、毎回ダメだな(;^_^A


読んでくださり、ありがとうございますm(__)m

本当は、初めての時の
ワタワタしたシカマルを、書きたかったのですが…

フェミニスト王子 な
シカマルしか、書けないようです(^^ゞ



☆コメント☆
[ゆか] 04-02 13:22 削除
シカマルとテマリ、素敵ですね。
ますます好きになりました。
これからもシカテマ書いてください。

[きょう] 12-11 02:17 削除
こういう小説、待ってましたー^^*

優しくするシカマル大好きです*
シカマルだけに見せるテマリ姉さんもスキー><*
ありがとうございました!

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