10/07の日記

22:24
罪悪感     →シカテマですが、テマリさん出てきません((汗
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いつもの場所、草原に寝転んで雲を眺める

明日は、上忍になってから
初の隊長としての任務

今までは、中忍として小隊を率いる事はあったが
上忍として、しかも多数の隊を束ねるのは、初めてだ

めんどくせぇ 

口には出さないが、つい いつもの口癖が、頭に浮かぶ 

ポケットからタバコを取出し、火をつける

責任でけぇなっ
まぁ、それが上忍であり
他の忍も通ってきた道だろう
アスマだって…

自分の内に沸いてきた、懐かしい名前に 眉をしかめる

煙りが眼に染み、涙が出そうになった

アスマ…

アスマは、どんな気持ちだったんだろう…

怖くはなかったのだろうか?
自分の力を信じれたのだろうか?

アスマは…

長い年月をかけて、薄れてきた想いの詰まった箱を、開けてしまったような気がし 慌て、タバコを揉み消した


明日の任務の事を、考えよう
シュミレーションっと…

あれこれと、戦略を考えていると

ふと、中忍に成り立てで初めて小隊長になった“サスケ奪還任務”を思い出す

その時の、不安や迷い
信じる気持ち、任務を遂行するという重み
色々な思いが、沸き上がってくる

はぁ〜っ

なんか、今日はダメだなっ…

大きくため息をつき
寝返りをうつ

そういえば、あいつの事を意識し出したのは
あの時からだった

今は、隣に居る事が自然になった テマリの顔を
思い出す と同時に、鈍い痛みが込み上げてきて
また逆方向を向く

いつからだろう
テマリに対して、こんな感情を抱くようになったのは…

テマリと、互いに意識するようになり
あいつも俺も、気持ちはあったのに
なかなか一歩が踏み出せず
やきもきしていた

結局は、あいつが不器用ながら真っ直ぐに気持ちをぶつけてきてくれて

情けない事に、女から先に告られちまったんだよな

我ながら、イケてねぇ…

また、ため息をつく

でも、あれからゆっくりと
触れる回数が増えて
思い切ってキスした時は、殴られたっけ…

顔が熱をもつ感覚に、腕で隠す

それから、また時間をかけ
身体を重ねるようになるまで長かった 


テマリを抱く…


今では、当り前の行為
最初に囁いていた愛しむ言葉も、相手への気づかいさえも、何処かに置いてきてしまったような
ただの欲望を吐き捨てるだけの、今の行為…

急速に冷えていく顔の熱に、ゆっくりと腕を退ける

いつから、こうなってしまったのか…
なんとなく原因は分かっていたけれど
どうしようもない、心の奥底にあるものに
ずっと…囚われているような感覚だった


「何、百面相してんのよ」


「6代目こそ、こんなとこでサボってていいんすか?」


振り返らず答える


「オレはね、ほら 里の見回りよ」


いつもの調子で飄々と話す6代目の手元に視線をやり


「じゃあ、その手に持ってる“いかがわしい本”は、何ですか?」


「相変わらず、可愛げないね シカマル」


「カカシ先生に言われたくないっ、あっ、先生じゃ無いっすね
なんか慣れなくて…」


頬を掻くと


「オレも、慣れないねぇ
いいんじゃない… オレも四代目の事、ずっと先生って言ってたしね」


話しながら、俺の頭を撫でる仕草が アスマと重なり
ゆっくりと息を飲んだ


「砂の美人さんの事考えてたの?それとも…
アスマの事?」 


俺は、密かに飲み込んだ息を詰まらせ
軽くむせた


「ゲホッ… 相変わらず、無駄に感がいいですね…」


「俺、こう見えても火影だからねぇ」


昔同様、片目しか見えない顔で微笑みながら
今度は、背中を擦られた


俺の隣にゆっくり座った
6代目は、いかがわしい本を開き始める
“やっぱ、読むんじゃんかよ”と心の中で、毒づいていると


「おまえ、あの子と付き合って 何年になるっけ?」


「…5年ですケド」


今、多分 俺の眉間のシワは Maxだ


「そろそろ、ケジメつけたら?」


開いた本から、視線を逸らさず淡々と話す里長に苛立つ


「人の事言えないでしょ
火影様こそ、いつまでも遊んでないで、さっさと落ち着いたらどうですか?」


皮肉めいた言葉を投げつける


「ほら、オレは里の皆の火影様だから、平等に愛を注がないとね」


ニヤニヤと笑って話していた表情が、急に引き締まり


「オレが言った『ケジメ』は、そっちの方じゃ無いんだケドねぇ」


じっと俺を見てくる

昔も今も、この人だけは
本当に掴めない

鋭いのに飄々としていて
人の痛みに敏感なのに
痛いところを、グッサリと突いてきたりする
人の心は、読み取るくせに
自分の心は、決して見せない


昔から、苦手な人だった


「…どお言う意味ですか?」


チラッと視線を送ると


「分かってんだろ?このキレる頭脳で」


頭を軽く叩かれる


「…分かんないっすよ」


ため息交じりの言葉に


「…そうか?」


開いていた本を閉じると


「おまえは、アスマの変わりじゃ無い
部隊長役も、おまえ“奈良シカマル”に頼んだんだ
おまえは、おまえのやり方で任務を行なえ、迷うな!」


この人は、任務を命じた時から 気づいていたのか…
喰えねぇ人だ…


「…分かってますよ」


タバコを出して口に加えた俺に


「分かってないねぇ」


とタバコを取り上げた


「なにすんっすか」


「いい加減、アスマに依存するのはよせ
もう、充分だろう…」


いつのまにか握り締めていた手が痛い

反論の言葉が出てこない
“俺の気持ちも知らないくせに…”
アスマとの付き合いが長かったこの人の方が、俺なんかより 何倍も思う事は
強いはずで
ましてや
“そんなつもりは、サラサラない”
とか言い切れねぇ自分も
情けねぇ…


何も言えないでいる俺に、更に話しを続けてくる


「おまえ、楽しいと思う事や嬉しいと思う事…
意識的に避けてるだろぅ」


「そっ…そん…なっ…」


「自分が幸せになるなんて…
紅とまだ見ぬ子を遺して逝った、アスマに悪い…」


最後まで言葉を聞く前に
俺は、咄嗟に この
人の心の内に土足で踏み入れてくるヤツを下敷きにし
殴りかかろうとした


「…やっぱ…図星ね」


俺の下敷きになりながら、自傷ぎみに笑う6代目


「なんで避けないんすか
あんたなら、容易く避けれただろう…」


「オレもね、そう思ったんだケド… まぁ、殴られてもいいかなぁ〜ってね」


「よくないでしょ… 火影様が… 」


俺は、6代目の上からどきまた寝そべった


優しい手が頭を撫でる


「シカマル…オレもそうだったからさ…」


その言葉に、見開かれた眼から涙が零れそうになり


「…子供扱いしないでくださいよ…幾つになったと思ってるんすかっ…」


と、手を払い除け悪態をついた

そうだよな…
アスマの死だけで一杯一杯な俺なんかより
この人は、たくさんのたくさんのものを、無くしてきてるんだ…
分かっていた事なのに
今更ながら、芯の深い部分まで思い知る…


改めて… 凄いと思った…


「オレの事見直しちゃった?」


「…そうっすね… 」


薄く笑うと


「あれ?素直じゃない」


とからかわれた


そこへゲンマさんが、ぶ厚い書類の束を抱えてやってくる


「カカシさ、じゃなかった、6代目、早く仕事に戻ってくださいよ〜
只でさえ、報告書溜まってんすから」


やれやれ と言った表情で、腰を挙げると


「シカマル、明日の任務頼むな
まぁ、今となっては余り心配してないんだケドね
おまえ、頭いいし」


と笑いながら手を振って去って行く


「分かりました」


短く返事をした俺の元に、“あっ!”なんて言ってまた傍まで寄ってきて


「テマリちゃんだっけ?
なんか、砂の方で
縁談話があるらしいよ
テマリちゃんは、奨めろって言ってるみたいだけど
いいのか?って我愛羅から、連絡あったぞ」


俺は、たぶんスゲー情けねぇ顔 してたんだと思う
6代目が、腹を抱えて笑いながら消えてった


ちくしょう…


確かに、テマリと居る時の嬉しい思いや楽しいと思う気持ちなどに、後ろめたさを抱いていたのは、事実だ

テマリを抱く時も
ホントは、満たされていく心や 込み上げてくる愛しさに、背徳感を感じ
義務的な行為に徹するようにしていたのも


全部、俺の勝手な“罪悪感”


テマリには、関係の無い事なのに…
苦しませてしまった
薄々気づいていたのに、自分の事で一杯で
なにもしてやれなかった…

「情けねぇなぁ… 俺…」

依存…
アスマが生きていた時も
依存して、亡くなってまで依存してる自分を
アスマは、どう思っているだろうか…

カッコいい大人にならないと…

何年か前に吐いた自分の言葉に、それが如何に難しいか… この歳になって、やっと分かった

若気の至りって恐ろしい…

軽く瞳を閉じると、


「取り敢えず、テマリの縁談阻止だな…」


それから、たくさん謝って
俺の気持ちや思っていた事を、伝えよう

俺は、雲に手を伸ばし
開いた手をギュッと握る

今度こそ、正真正銘


“カッコいい大人にならねぇと”







end





(爆)シカマルが、へタレ過ぎだー
シカテマ?テマリ出て無いじゃん!(@_@;)
カカシが、かっこよすぎる(^^ゞ

色々と…申し訳無いデスm(__)m

カカシはねぇ、一回は火影にしてあげたかったのよ
たぶん、ナルトがなるでしょ?その前にね

ただ、本人望まなそうだケド(;^_^A

毎回、読破ありがとうございますm(__)m
読みズラく無いですか?
心配しております



☆コメント☆
[ふー] 10-20 11:13 削除
素敵でした。
また、楽しみにしています。

[管理人] 10-20 13:32 削除

ふー様 

コメントありがとうございましたm(__)m

ちょっと、シカテマは停滞ぎみなのですが

今後、もっと精進いたします<m(__)m>

なんせ、文才がなくて…(T_T)

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