10/23の日記

03:38
十七才の地図 〜学パロ〜
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「キバーっっ! ナンパしに行くってばよっ 」


二シシと笑いながら、校舎の下から 屋上に居る俺らめがけて
デカイ声で叫ぶナルトに


「声でけぇっつーのっ」


少し声を押さえめに叫びながらナルトを睨む


てっきり、横から
いつも通りの


「お〜っっ!」


て言う、これまた馬鹿デカイ声が聞こえる と
耳に栓をしようとしたその時 


「…オレ、パスするわぁー」


声のデカさもトーンも大人しい言葉が、耳を掠める


はぁ? びっくりした俺は、


「キバ?熱でもあんのか?」


キバの額に手を当てた


「んだよっ、オレにだって気が乗らねぇ時もあんだよっ!」


俺の手を振り払いながら、そっぽを向く悪友に


「おまえが、ナンパの誘い蹴るなんて… 明日、雪?」


大袈裟に、驚いて見せる


いつもなら、“うっせ〜っ”とか言って蹴りを入れてきそうな場面だが
それも無い…


よいよ心配になって、前屈みに柵にもたれ俯くキバを、じっと見る


「…なんだよ…」


黒目が多いデカイ目玉で、ギロッと睨み返される


俺は、制服の内ポケットからタバコを取り出すと
一本火をつけ、キバに差し出した


「…どうしたんだよ?」


そこに、勢い良く駆け上がってきたナルトが
屋上の扉を、蹴破らんばかりに走ってくる


「はぁ…はぁ…キバっ!…大丈夫だってっ!…元気だせってばよっ!」


息を切らせながら、叫ぶように話すナルトに


俺は、視線だけ向けると


胸を押さえながら弾む息で話し出す


「キバ… 好きな子が居るんだけど…」


「ナルトっ!!」


キバの凄んだ声で、周りの空気が氷つく


俺もタバコを加えながら、ゆっくりとナルトからキバへ視線を移し 


「…そんで?」


と、何事も無かったように続きを促した


重い空気に、ずっと黙りこくってたキバが
ため息と共に、話し出す


「…おまえが助けた女なんだよ…」


俺は、無表情にゆっくり紫煙を吐き出し


「…で?」


再度キバをジロリと見る


「…あぁーっっ!!もうっ!もうっ解ってんだよ!
どうせあの娘も、おまえが好きでした!て落ちなんだろっ!!」


持っていたタバコを投げ捨て
1人デカイ声で叫び出すキバに
タバコの煙を吹きかける


ゴホッ ゴホッ…

大袈裟に咳込むヤツを一瞥し


「本人に聞いたのかよ?」


もっともなセリフを投げてやれば
ホント、まるで犬のように
しっぽや耳がうなだれるようなテンションの下がり方で
柵に背中を預け
ズルズルとしゃがみ込んだ


「…だってよ〜 ももかだって、かえでちゃんだって、なつみだって、とうこさんだって 皆、み〜んな
おまえが好きで、オレ振られてんじゃん!」


俺は、しゃがみ込み俯くキバの頭に拳骨を落とし


「で!その内の誰が俺にコクってきて、どいつと付き合ったんだよ!」


グリグリと頭に拳を擦りつけると


「しんねぇ〜よっっ!!
皆、おまえが好きって断ってくんだからよー!」


「…だから、何度も言ってんだろっ!それは、体よく厄介払いされてんだって」


「でもよっ!…」


反論しようとするキバの両こめかみに 拳を移動させ
グリグリとまた擦りつける


「だから〜おまえが軽いから、女が本気にしねぇんだろっ!」


俺の手を振り払い


「オレは、いつでも本気だっ!!」


怒鳴るキバ


再度、俺の拳骨がヤツの頭に落ちる


「おまえ、1ヶ月の間に
とっかえひっかえ
それだけの人数にコクってたら、信用されねぇの
当たり前だろっ!」


図星を突かれ、膝を抱え丸くなるキバに
ナルトが駆け寄り


「まぁ、まぁ、シカちゃん、そんなに怒んなよ」


優しくキバの頭を撫でてやるナルトに
「ナルト〜っ」なんて擦り寄っている怪しい男共を置き去りに


「俺、帰るわ…バイトあんし」


と、サッサと屋上を後にした


後ろから


「シカの人でなし〜っっ」


なんて恨みがましい、犬の遠吠えが聞こえたが
シカトした



俺が、バイト先のカフェに行き
黒の制服に着替え、一服していると


「奈良!今日から働く新人、おまえ付きにするから」


先輩から声がかかり
振り返った俺は、
加えていたタバコを落としそうになった


慌て立て直し
接客業らしく笑顔で 


「よろしく」


と、口にした


17才の夏…


なんか面倒くさいコトになりそうな気がして

笑顔が引きつる俺だった






つづく





今イチ、曲と合ってなかったかなぁ

てか、つづくのかよ
みたいな

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